求婚...年の差 (ページ25)

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２５話目ページ25

「おう、爆豪！そっちどう？忙しくやってんのか？」

「お...い、アホ面...こっちが何時かわかって電話してきてんのか...あぁ？」

「あ、悪ぃ...もしかして寝てた？」

「何度言ったらわかんだ！そっちとこっちは時差が13時間あるっつったよな！」

「...朝の４時頃？」

「はぁ〜、切るぞ。」

「ちょっ、ちょっと待てって！Aちゃんとさ、久々に会ったらすげぇ綺麗になってきてて驚いたんだよ。」

「...それがどうした？」

A...という名前を聞くと胸が軽く締め付けられるような感覚に襲われる。

「や...それだけ。ま、また電話するから寝てくれや！」

「目ぇ覚めたわ！くそがっ！！じゃあな！」

(...まだ３時間も寝てねぇのに。)

電話を切ると枕に顔をうずめてため息をついた。

スピークと話したあの日以来...少しずつAの夢を見る回数は減ってきているが、今度は好きなのかもと言われた事に頭を悩ませている。

俺よりも地に足をつけた男と幸せになって欲しい。

そう思う気持ちは...俺がヒーローという危険な仕事しているからだ。

そう思うと言う事は...目を背け続けてきたが、もしかしたら好きだからかもしれない...。

俺なんかより...と自分以外の男をと考えていたのは、幸せにしてやる自信が無いが故の事なのかもしれない。

「...惚れてたのか...俺...？」

太陽が登り、明るくなってきている窓を見つめて、俺は独りごちた。

「勝己兄ちゃん！！」

「...は？何...でお前が...。」

正月...自宅に久しぶりに電話をすると、突然Aが出て驚いた。

「ナンバーディスプレイ見て、おばさんが出ろって言ったから！」

「...元気か？」

「うん、元気にしてるよ。勝己兄ちゃんは？」

Aの元気そうな声を聞いて、俺は安堵のため息をつく。

何事もなく、平穏に過ごしているのはわかっていたが、最後に泣かせてしまったり、夢に出てきたりするAが心配だった。

「何とかな。Aは今年中３だろ？高校は決めたんか？」

「...雄英...行こうかな？」

自信なさげな声でボソッと話す。

「行こうかなで行ける所じゃねぇぞ？」

「ん...わかってる。塾も行く予定だから。」

「何でいきなり雄英を選んだ？」

「好きな人を追い掛けようと思って！」

(好きな奴...出来たんか。)

自分で考えて、わざわざ渡米してまでAと距離を取ったくせに、好きな人が出来たと聞かされると...勝手な事に寂しく感じてしまった。