求婚...年の差 (ページ13)

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１３話目ページ13

「勝己兄ちゃん、おはよう！」

3月14日...確かに俺はAの相手を久しぶりにしてやろうと休みを貰っていた。
そしてそれをAにも伝えていた。

が...

「おい、今何時だと...思ってんだ？」

玄関のドアにもたれながら、俺は死にそうな声でAに聞く。

「んー、10時だよ！もうすぐお昼になるし、起きてるかなって！」

俺に抱きついてピョンピョンと跳ねる...。

「あらぁ！Aちゃん、おはよう！朝ご飯は食べた？ほら、勝己！早く用意しなさい！」

「おい、ババア！俺が昨日何時に帰ってきたのか知ってんのか！３時だぞ、３時！雑誌の取材班がチンタラしやがって！」

「Aちゃんおいで。お茶入れたげるから。」

「無視かよ、クソババア！！」

「...嬉しくて早く来ちゃったけど...勝己兄ちゃんが眠いなら、一旦帰るよ？」

体を離し、手をもじもじとさせながら聞いてきた。

「はぁ〜。待ってろ、すぐに用意する。」

「良いのっ！？じゃ、勝己兄ちゃんの部屋に入っても良い？」

「あ？何も面白いもんねぇぞ？勝手にしろや。」

トコトコと嬉しそうに俺の後をついてきた。

「うわぁ、ここが勝己兄ちゃんの部屋〜！」

「あんま見んな、最近忙し過ぎて片付けてねぇからな。」

「えへへ〜。」

ベッドに座り、足をばたつかせて部屋を見回している。

(...変な奴。)

俺はクローゼットを開けて洋服を取り、ベッドに投げた。

「...着替えるからババアんとこ行っとけ。」

「ん？」

「俺のセミヌードが見てぇんなら雑誌買えや。来月出る「下で待ってます！！」」

バタバタと慌てながら部屋を出て行った。

(...んな急いで逃げるか？)

ククッと笑いがこみ上げてくる。

「勝己！早くしなさ〜い！」

「るせぇ、ババア！わかっとるわ！」

ささっと着替えを済ませ、洗面台で身なりを整えてリビングに行くと、Aはソファにちょこんと座っていた。

「何処に行きてぇんだよ？」

コーヒーを入れながらAに今日の行き先を聞く。

「んー、動物園！」

「了解。コーヒー飲み終わるまで待ってろ。」

俺がテーブルにつくと、隣の椅子に座ってきた。

「んだよ？」

「ん？何にもない！勝己兄ちゃんと居れるのが嬉しいだけ！」

「Aちゃん、こんなんの何が良いの？可愛いんだから、わざわざこんなのに付き纏わなくても...。」

ババアがAの頭をグリグリと撫でる。

「勝己兄ちゃんが１番大好きです！」

満面に偽りのない愛嬌をみせながら、俺の方を向いた。