求婚...年の差 (ページ11)

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１１話目ページ11

「飲んでる？緑谷、爆豪...飲んでるぅぅ？」

「重てぇ！乗っかってくんな、このしょうゆ顔！！」

ドシッと力任せに、俺の頭に乗っかってきやがった！

「あ、僕はまだ仕事...あるから。」

「緑谷ぁ！付き合い悪ぃ〜！」

「仕事だってんだから絡むなや！お前もヒーローだろうが！」

「まぁね！こないだ雑誌に出たんだぜ、俺！！」

酔っ払いを適当に相手しながら、俺はデクに“行け“と目で合図をする。

「...かっちゃん、また連絡するよ。」

デクは帽子を目深に被り、マスクを付けると店から出て行った。

「爆豪～！昨日さ、初詣に行ったら、お前の婚約者に会ったぞぉぉ！」

突然、アホ面が大声で叫んだ...。

「え？爆豪くん、婚約者なんかおったん！？」

丸顔を筆頭に、「ええ〜！」と皆が騒ぎ出した。

「ほら、これがその子の写真〜！！！」

スマホを時代劇ドラマの印籠の様に突き出して、また叫ぶ。

その中にはアホ面に肩を組まれて笑っているAの写真があった。

「だぁぁっ！婚約者じゃねぇわ！！隣の家のガキだって何回言えばわかんだ！！その前に...写真とか撮ってんじゃねぇ！！」

「え、可愛い。」「爆豪にはもったいない。」
「うわ、まるで爆豪への生贄...。」「胸はデカイのか？」

皆が好きな事を口々に話し出す。

「まだ今年14のガキだわ！！そんなんに手ぇ出す程、飢えちゃいねぇ！！」

皆は俺を無視して、アホ面のスマホを覗き込んでいる...。

「爆豪の嫁さんになんのが夢なんだって、この子。」

「へー。お嫁さんにしてあげなよ、爆豪。」

「14でこの可愛さ...将来、いや、５年後にはすごい美人になるぞ。」

「爆豪がいらねぇなら俺が...。」

俺はもう言い返すのも面倒くさくなり、生中を煽るように飲んだ。

(くそが...人を酒の肴にすんじゃねぇよ。)

枝豆をガジガジと齧りながら、ふと昨日の振袖姿を思い出す。

(まぁ、客観的に見りゃ...可愛い...か？)

もっと小さい頃から見ていた俺は、人に言われるまでは気付かなかった。

(モテそうな面してんのに、俺が良いって...変な奴。)

「すんません、生中おかわり下さい。」

その日も結局、皆で騒いで飲んで...翌朝俺は、体を引きずるようにして職場に向かった...。