求婚...年の差 (ページ1)

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１話目ページ1

「ほら、勝己。お隣さんにご挨拶に行くよ。付いて来なさい。」

「挨拶？ババアが勝手に行けや、めんどくせー！」

「あんたも付いて来なって...言ってんでしょう！」

パァンと俺の頭を力いっぱい叩いてきたババア。

俺は仕方なく、ババアの後をついて挨拶に付き合う事にした。

「あ、初めまして。隣に越してきた爆豪です。引越しのご挨拶に伺わせていただきましたぁ。」

(うわ、作った声...気持ち悪ぃぞ、ババア。)

心の中でババアに文句を言っていると隣の人...若そうな女の人が出てきて「ご丁寧にありがとうございます。」と頭を下げてきた。

「あ、息子の勝己です。今年から高校生になりました。ほら、挨拶しな！」

ババアに紹介され、ポケットに手を突っ込んだままで軽く頭を下げる。

「ちゃんと挨拶しなさい！」

スパァン！

「バ...バア...人の頭をパンパン、布団叩いてるみてぇに叩くなや！」

「す、すみません、口が悪い子で...。」

「いえ、家にも子供が居るんですよ。A、A、ちょっと来なさーい！！」

お隣さんが大声で叫ぶと「はーい。」と可愛らしい声が聞こえてきた。

「お隣に引っ越してらした、爆豪さん。このお兄ちゃん、高校１年生なんだって。あ、娘のAです。小学３年生になりました。」

真っ黒な髪にすみれ色の瞳、長いまつ毛が印象的な可愛らしい女の子。

「こんにちは、Aです、３年生になりまし...た。」

俺と目が合うと...挨拶していた声が小さくなった。

(んだ、このガキ...俺から目を離さねぇ。)

「帰るわ。」

だるくなってきて家に帰ろうと歩き出した俺に、A...ちゃんだっけ？が声をかけてきた...のは良いが、その内容がとんでもなかった。

「お、お兄ちゃん！私と結婚して下さい！！」

俺に抱きついて、真剣な目を向けてくる。

イラッとして、爆破で吹き飛ばしたくなったが...そういう訳にもいかねぇ。

「A！！なんて事言ってんの！！ごめんね、勝己...くん。爆豪さんも、すみません。」

焦った顔をして、抱きついたままのAちゃんに手招きをする。

「...いえ。お母さん呼んでるから離れろ。」

「大きくなったら...お嫁さんにして下さい！」

「...なら、早く大きくなれや。」

俺がそう言うと納得した様子で母親の方に走って戻った。

この時、俺16歳、Aが9歳。

(変なクソガキだな、めんどくせー。)

それがAの第一印象だった。