しつけぇわ！！１２ ページ26
「っ、はぁぁぁぁぁ〜。」
痛がるAに悪戦苦闘しながら出来る限り優しく優しく抱いた。
疲れ果てて眠る寝顔を見ては...何度目のため息か？
つい...我慢出来ずに手ぇ出しちまって...。元に戻った時にこの記憶はどうなんだ？無くなっちまってたら...どうすんだよ。
「あー、くっそ。」
またため息が出そうになった時、携帯の着信音が聞こえてきた。
起こさねぇようにそっとベッドを抜け出し、リビングに行って電話に出る。
「もしも「爆豪さん！夜分遅くにすみません！あの例の社員が明日、部署の飲み会に出席するらしいです！」」
「は？マジか！？んなら吊し上げ「そんな事をしては意地になって個性を解かない可能性があります。ここは私に考えが...それと爆豪さんの頑張り次第になりますわ。」」
「頑張りって...んだよ？」
「明日、爆豪さんの事務所近くで落ち合いましょう。詳細はその時に。」
「お、おう。わーった。」
通話が切れた音がするスマホを握り締め、舌打ちを一つ。
Aを苦しめたクソ野郎をボコボコにしてやりてぇのに出来ねぇって事にイラつく。
悔しいが...八百万に今は任せるしかねぇ...。
時計を見ると深夜2時前。
スマホのアラームをセットし、Aが眠るベッドに潜り込んだ。
「お待たせしました、爆豪さん！」
翌日の昼休憩。公園の駐車場で待ち合わせをし、車に持たれて待っていると八百万が息を切らせて走ってくる。
「別に待ってねぇわ。とりあえず車ん乗れや。」
「あ、はい！」
車に乗り込み、八百万は水を飲んでから話し始めた。
「...俺がAになんのかよ！？」
「Aさんの振りをして社員に近付いて...。」
八百万の後輩に姿形を変えられる個性持ちがいる。そいつにAの姿にしてもらって男に近付いて尻尾を捕まえるという作戦。
「つうか...んな暇も休みもねぇぞ、俺は。」
「今夜、そこの部署で飲み会があります。そこにさり気なく入り込めば...どうですか！？」
満面の笑みを浮かべ、ぶりっ子ポーズでプリプリ...。
確かに尻尾を捕まえる事が出来りゃ...個性の悪用っつう事で警察に引き渡せる...が...。
「の、前にAにかけた個性を解かせねぇと「警察となればいくらなんでも解くと思いますわ。罪が重くなりますものね。」」
「ったく、上手くいかなかった時は覚えとけよ。」
微笑む八百万を横目に俺は頭を掻きむしった。
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作者名：梅シロップ | 作成日時：2018年10月28日 0時
