爆豪派閥の紅一点３【切島鋭児郎】 (ページ10)

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１０話目ページ10

ピコン！

夜中にLINEの音が聞こえて目が覚めた。

「こんな時間に...誰だよ...？」

独り言を言いながら確認すると、それはAからで...内容は『今から行っても良い？』ってなっている。

いくら付き合ってるとはいえ...夜中に２人きりは不味いし、爆豪が居ないってのも気が引けて『来るな。』と返信をした。

『あかんの？何で？』

『何かあったのか？爆豪にもLINEしたのかよ？』

『してない。鋭児郎の顔見たいねん。行っても良い？』

可愛い彼女に顔が見たいと言われたら...断れない。

『少しだけな？』

俺はそう返事をして部屋の電気を付けた。

しばらくすると、そーっとドアを開けてAが部屋に入ってくる。

忍び足でベッドに座る俺の傍に来て、突然思い切り抱きついてきた。

「なっ、A？...どうした？」

「...勝己が...浮気する夢見た。」

悲しそうな声でそう言うと、グリグリと顔を俺の胸に押し付けてくる。

「ゆ...夢だろ？爆豪はそんな事しねぇよ？」

「わかってるけど...悲しくなってんもん。」

「ん、ん〜、落ち着けって。な？」

これ以上抱きつかれると不味いと思い、そっとAの体を引き離した。

「...うん...ごめん。多分、勝己に彼女おったって聞いたから...夢見たんやと思う。」

「心配いらねぇよ。爆豪も俺もAの傍に居んだろ？」

頭を撫でながら優しく話しかけると、コクコクと頷き「わかった。」と返事をする。

「ん〜、４時前か...。ま、今日は日曜だから良いけど。」

「ごめん。こんな時間やし眠いよな。でも鋭児郎の顔見て落ち着いた。」

俺の腕にもたれかかり、上目遣いで見上げてきた。

(...いやいや、その目は不味ぃから...。)

変な気持ちになりそうになってくるのを...理性総動員でやっつけにかかる。

「落ち着いたんなら部屋に戻「ここにおったらあかんの？」」

「あ、あかん...じゃなくてよ、布団に入ってたら...眠くなんじゃねぇの？」

「そやんな、鋭児郎眠い...やろうし。」

「お、おう。」

「じゃ、戻るからキスして？」

頬にそっと手を当てて、顔を近付けてきた。

「や、それは...っ！」

顔を引いて逃げようとした俺の首に腕を回して、抱きつきながら唇を重ねてくる。

ふわふわと柔らかい唇が何度も合わさってきて...我慢出来ずにAの体を抱き締めた。

「...俺...やべ...。」

「鋭...児郎...あかん...」

「...っ。部屋...に戻れよ？」

腕を離すとニッコリと笑って、Aは自分の部屋へ戻って行った。