爆豪派閥の紅一点３【切島鋭児郎】 (ページ7)

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７話目ページ7

「ふふふ、残念でした〜！私はいじり放題やで！」

Aは上鳴の頭をポンポンして鼻で笑った。

「...ブッ！瀬呂、これ！！」

「ブッ！...意外...って、上鳴、お前もO型だろ？」

「えー、何？面白いの見つけたん？」

上鳴と瀬呂の間にAが割り込んで座り、上鳴のスマホを覗き込んだ。

「...へ、へぇ〜。」

「あれ？笑わねぇの、A？」

「いつもならゲラゲラ笑うくせに。」

「あー、うん。何となく？」

白々しい言い方をして、上鳴と瀬呂から距離を取った。

「おめぇら、何を見てんだよ？」

「おぉ！切島、見てくれよ！俺と爆豪、あっちの方は『単調だけど、丁寧』なんだってよ！単調ってのが納得いかねぇけどな！」

上鳴がスマホを俺に見せながら言ってくる。

「...単調...だ？」

爆豪がピクッと反応して、こっちを睨み付けてきた。

「お！切島は『男らしく本能全開』だってよ！そんな所まで漢いらねぇだろ！？」

「お、俺まで調べんなよ！その前に、当たってるかどうかなんかわかんねぇだろ！」

「えー、面白ぇじゃん！」

瀬呂のスマホを覗き込んで、上鳴がニヤニヤと笑う。

Aの方を見ると、微妙な顔付きで空を見上げていた。

(A...変に意識しちまってんじゃねぇかよ！)

俺の誕生日に...って話したっきり、そんな話はしてなかったが、Aの態度を見て..妙に照れくさくなってくる。

「切島...顔赤いぜ？暑いのか？」

「...っ、まだ９月だと...暑ぃな！瀬呂は暑くねぇか？」

「まぁな。来月に入ればかなり気候変わんだろ？って、来月は切島の誕生日だな！何か欲しい物あんのか？」

「い...や...、特に？」

誕生日というキーワードを聞き、思わずしどろもどろになってしまった。

チラ...と爆豪を見ると、爆豪も神妙な顔付きで俺の顔を見てくる。

「A！切島の誕生日はどうする！？何か面白ぇ事しようぜ！」

上鳴がAに声を掛けた途端、バッと立ち上がって「暑いから教室に戻る！」と走って行ってしまった。

「何か変じゃね、A？機嫌でも悪ぃのかな？」

「さぁな。男にはわからない何かがあるんじゃねぇか？な、切島？」

上鳴と瀬呂は、そんな事を話しながらググッと伸びをする。

「...そうなんじゃ...ねぇの？」

「おい、そろそろ教室戻んぞ。遅れたらめんどくせぇ。」

爆豪が俺らに声を掛け、階段の方へ歩いて行く。

４人で歩きながら俺は、変に意識してしまった頭を無理矢理に切り替えて教室に戻った。