５話目 ページ5
「...くっそムカつく。」
爆豪がそう言いながらベッドに倒れ込んだ。
「クソ髪！てめぇは何も思わねぇのかよ！」
「面白くはねぇけどよ...。Aは鼻っから見合い断るつもりだったみてぇだし。」
多少モヤモヤとする気持ちはあったものの...見合いの話が無くなった事で、まぁ良いかと思っていた。
「ごめんな！兄ち「おら、A！どういう事だ？説明しやがれ！！」」
部屋に戻ってきたAの顔を見るなり、爆豪が怒鳴りつける。
「せ...説明も何も...もう話無くなったからええやん！」
「こっち来て座れ！」
爆豪がAの手を引っ張り、ベッドの上にポスっと座らせた。
「...何で隠してたんだ？んなに俺らの事が信用出来ねぇのかよ？それとも何か？その男の方が良かったとか言うんじゃ...ねぇだろうな！！」
「そっ！そんなん思ってる訳ないやん！元々見合いなんかする気無かったし、別に言わんでも良いかなって思ったから！！」
「何かあったらすぐに言えや！俺らに話すのがんなに嫌なんかよ！！」
「嫌ちゃうよ！ちゃんと勝己と鋭児郎の事好きやし、信用もしてるから！信じてや！！」
Aは大声で叫んで、爆豪の腕を握り締めた。
「もう言い合いやめろって！Aが信じろっつってんだ！Aの事が好きなら信じるしかねぇだろ！！」
「...鋭児郎。」
「...わーったよ！くそが！」
悲しそうな表情のAの頭を撫でながら、俺もベッドに腰を下ろした。
「でもよ、正直...面白くはねぇぜ？好きな女に見合い話がきたっつうのはよ。その...ヤキモチ...っつうかさ。爆豪も...そうだろ？」
「...知るか！ざけんな！」
そう言ってAの腕を振り払い、寝転んで肩肘を付く。
「言うたら嫌な気持ちにさせるかなと思って...でも今度からはちゃんと言うから、２人共許してな。」
「べ、別に責めてる訳じゃねぇから、んなに悲しそうな顔すんなよ。」
「うん、鋭児郎...ごめんな。勝己、ごめんな。」
「...こっち来いや。」
Aがそろそろと近付いていくと、頭を撫でてそっと頬にキスをした。
「他の男の事...少しでも見やがらったらぶっ殺すからな。」
「勝己と鋭児郎以外は...興味無いよ？鋭児郎、来て。」
Aは俺に手を伸ばすと、頬に唇を合わせてくる。
「ん〜っ！A愛してるぜっ！！」
「なっ、クソ髪！てめぇ、何をしとんだ！！」
俺がAを抱き締めると、爆豪がその上から抱きついてきて、Aは苦しいと笑いながら言った。
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作者名：梅シロップ | 作成日時：2017年7月14日 19時
