１８話目 ページ18
「鋭児郎！短パンやねんから、そんな格好で座らんといて！」
ベッドの上で片膝をついて座るとAに怒られてしまった。
そう言ったAは、俺の姿で三角座りをしている...。
俺らのその姿を見て...爆豪が頭を抱えてテーブルに突っ伏した。
「...風呂とか...その他もろもろどうすんだ、てめぇら！」
「「あっ！」」
俺とAははっとした顔をして顔を見合わせる。
「え...鋭児郎も私も...お風呂はパスせんと...仕方ないよな？」
「女湯に...は、入れねぇよ、とても...。」
「ならよ、着替えとか...トイレとかどうすんだよ！」
爆豪がガバッと顔をあげ、テーブルをバンッと叩く。
「...どうしよう。」「どうする...べ。」
「自分の体がもよおした時は...本人が本人の体の面倒見ろや！んなら、目ぇ瞑ってられんだろ？」
「...そやけど。」「...それしかねぇ...な。」
俺とAは頷き合うと、肩をがっくりと落とした。
「んー、ごめん、鋭児郎。その服...汚れてるから着替えたい。」
「あ、俺も着替えてぇ。」
「着替え...Aが自分で取んに行くんかよ？」
「...それは...周りから見たら、俺が怪しまれるんじゃねぇの？」
「でも鋭児郎にクローゼット触られたくない...。下着とか...あんのに。」
Aが俺の体で指をモジモジと動かす。
「２人で一緒に行ってこいや。もし誰かに見られたら...説明するしかねぇな。」
「私のフロア...麗日さんと芦戸さんやから、見られたら大変そう...。」
「芦戸...かよ。マジか。」
「悩んでても仕方ねぇだろ。俺はここで待ってっから！」
爆豪はそう言ってスマホを弄り出した。
俺とAは意を決して、Aの部屋に向かう事にした。
ササッと共有スペースを通り抜け、女子専用エレベーターに乗り込んだ。
「エレベーター、良い匂いすんな？」
「そうかな？気付かへんけど？」
甘いような、フルーティな匂いがすると俺は思った。
チャラ...とAは鍵を手に持つと、ダッシュで部屋の鍵を開け、２人で急いで中に入る。
「あ、あんま見んといてな。散らかってるし...。」
部屋王の時に頑なに嫌がったAの部屋に入るのは初めてで...ピンクを基調とした可愛らしい女の子らしい雰囲気にまとめられている。
「...ここで着替えて行こ？目ぇ瞑って！」
「...お、おう。」
俺は目を固く瞑り、Aに指示されるまま腕を上げたり下げたりした。
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作者名：梅シロップ | 作成日時：2017年7月14日 19時
