爆豪派閥の紅一点３【切島鋭児郎】 (ページ2)

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２話目ページ2

「好きな人のガキが欲しい、羨ましいっつってたじゃねぇかよ？」

「や、勝己...確かに言うたけどさ。今すぐとかちゃうやん。もう...ビックリするわ。」

「爆豪...おめぇいつも...突拍子の無ぇ事言うよな。」

Aと顔を見合わせて苦笑いをする。

「...俺の人生設計。オールマイトを超えてトップヒーローんなって、高額納税者ランキングに名を刻みてぇっつうのがあってよ...。後もう一個加わったわ。Aに俺のガキ産ませるってのが。」

「えっ！？勝己...ほんまに言うてんの？」

「おう。」

爆豪はAの顔を覗き込んで、ゆっくりと頷いた。

「何...言ってんだよ。俺らまだ高校生だぜ？」

「あ？クソ髪...誰が今っつった？将来の話に決まってんだろ？」

「将来...かぁ。私はまだそこまで考えられんわ。とりあえずヒーローになってからやないと。」

そう言ってまたポテトを口に運び、フゥとため息をつく。

「だよな。俺ももっと鍛えて、紅頼雄斗みてぇなすげぇヒーローになりてぇよ！」

ガッツポーズをして言った俺を見て、Aが微笑んだ。

「うん。頑張らんとな、勝己、鋭児郎！」

「おう、当たり前だ。」

「２人に負けねぇ様にしねぇとな！」

休憩し終わった俺らは、ショッピングモールの中を見て回り、夕方近くに寮へ帰り着いた。

「Aちゃん！お兄さん来てるよ！」

寮の玄関をくぐった途端に、麗日が駆け寄ってきてAの腕を掴みながら叫んだ。

「お...兄ちゃん？ほんまに？」

「すごい男前の双子なんかな？のお兄さん２人。」

「うわ、匠、育兄ちゃんらや...。」

Aがすげぇ嫌そうな顔をして後退りをする。

「早く行かんと！とりあえず談話ルームのソファに座ってもらってるけど。」

「あ...うん...行くわ。爆豪と切島は部屋戻っといて！」

そう言い残すと、麗日の後を肩を落として歩いて行く。

「...んだ、あれ？兄貴好きなんじゃなかったんかよ？」

「何か...変だよな？」

俺らは首をかしげながら、自分達の部屋に戻ろうと談話ルームの傍を通った時、兄ちゃん達の賑やかな声が聞こえてくる。

「会いたかったで！たまたま仕事でこっち来たから顔見に来たんや！」

「ええ所に住ませてもうてるやん。クラスメイトの子らもええ子ばっかりみたいやし！」

「もう兄ちゃんらうるさいって！私の部屋行こう！な？皆、ごめんな〜！」

眉間にシワを寄せて怒ったような顔で...兄ちゃん達をエレベーターの方に引きずって行く姿が見えた。