４７話目 ページ47
「今夜、何時から祭り行く〜？」
食堂で飯を食いながら、上鳴はワクワクした顔で俺らに聞いてくる。
「瀬呂、祭り何時からだよ？」
「確か...７時からだったと思うぜ？」
俺が聞くと天井を見上げてそう答えた。
「なら７時に行く？早いかなぁ？どう思う、爆豪？」
「俺に聞くなや、クソチビ。勝手に決めろ。」
爆豪は飯を食い終わり、スマホをいじくり始める。
「７時で良いんじゃね！？早く行きてぇし！」
「うん、そうしよっか！あぁ、楽しみ！」
「７時で決定な？爆豪、聞いてるか？」
「聞こえてるわ！るせぇ！」
瀬呂はニカッと笑い、サラダを口に運んだ。
「お、おぉ！これが！関東のお祭り〜！」
たくさん屋台が並んでるのを見て、Aは楽しそうにキョロキョロ見回した。
「A、遊園地の時のみたいに先に行くなよ？人が多いから。」
「じゃ、切島、手繋いで？」
小さな手を俺に差し出し、エヘヘと笑う。
「とりあえず〜、お！的当てしてぇ！」
瀬呂は的当ての屋台を指さしながら歩き出した。
「俺...的当て下手なんだよなぁ。爆豪は？」
「んなもん余裕だっつうの。おら、行くぞ。」
爆豪と上鳴は瀬呂の後に続いて歩いて行く。
「A、的当てした事あんのか？」
「残念ながら無いよ。当たる気せんから。何か取って？」
「残念...俺もそんなに上手くねぇよ。爆豪に期待だな！」
的当ての屋台に行き、瀬呂と上鳴が金を支払った。
「あー！惜しい！くっそ！」
「うわぁ...かすりもしねぇよ、俺...。」
２人は呆気なくおじさんに渡された３発の玉を打ち終わり、うわぁぁと情けない声を上げる。
「何か簡単そうに見えるけど難しいんやね〜。」
「おら、クソチビ！てめぇもしろや。」
「え？私は無理や「なら俺のを１発打ってみろよ？」」
両手をパタパタして断ろうとするAに、俺の銃を手渡してやった。
「銃...デカく見えるな。」
「こうして見るとA、やっぱ小せぇー！」
「うるさいな、瀬呂、上鳴！」
Aは持ちにくそうに狙いを定めて打つも、残念ながら何にも当たらず...。
「おー、兄ちゃん上手いね！！」
隣の爆豪はいとも簡単に人形を撃ち落としていく。
「やだ、やだ。才能マン...。」
上鳴は両手を広げて、首を横に振りながら言った。
俺も残り２発頑張ってみるが...何にも当たらずに終了。
「クソチビ、おら。」
爆豪は小さな人形を投げる様に手渡して、Aの頭をポンと叩いた。
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作者名：梅シロップ | 作成日時：2017年7月14日 19時
