４３話目 ページ43
「麸に...練乳かけるイメージ？」
「でもよ、瀬呂。麸には味がねぇから...いけっかも？」
「...やめろや。気持ち悪ぃ。」
３人でそんな事を話していると、上鳴とAがスーパーの袋を持って部屋に入ってきた。
「とりあえず着替えてくる〜！」
「俺も！あ、これ、テーブルの上に置いといてくれよ。」
「たこ焼き...？」
「うん！たこせんべいに挟む！」
俺が聞くと、Aはそう言い残して出て行き、上鳴もシャツをパタパタしながら出て行った。
「...クソチビ...本気で色々作るつもりか？」
「練乳もソースも天かすも買ってあるぜ！あ、卵も！」
瀬呂がスーパーの袋から出してテーブルの上に並べていく。
「これ...晩飯食えなくなりそうだな。」
「まぁ、良いんじゃねぇの、切島？Aが楽しそうにしてんだし？」
「...俺は練乳...食えねぇっつうの。」
爆豪が練乳のチューブを手に持ち、振り回して言った。
「美味ぇかもしんねぇだろ？んなこと言うなよ、爆豪。」
「そうそう、試してみねぇとわかんねぇよ！」
俺と瀬呂の顔を見て、爆豪はすげぇ嫌そうな顔をする。
「...わーったよ。」
「お待たせ〜っ！あれ？上鳴はまだ？」
Aは勢い良くドアを開けて、部屋に飛び込んできた。
「なぁ、A。これに練乳って...合うのか？」
「私は練乳でしか食べた事ないから比べようが無いよ、瀬呂。」
テーブルに座り、卵を眺めながら困った様な表情で答える。
「卵...どうすんだよ？」
「あー、キッチンで焼いてこようかな？切島、一緒に行く？１人じゃ持ちきれんから。」
「お、おう。」
「ちょっと待っててな、爆豪、瀬呂！」
２人に手を振り、卵を片手にキッチンに向かった。
「大きいフライパン〜？あった！」
フライパンを火にかけ、卵を５個落として目玉焼きを作っていく。
「部屋にキッチンねぇのがめんどくせぇな。」
「あったら楽やのになぁ。仕方ないわ。」
焼けた目玉焼きを皿に移し、後片付けをして部屋に戻る。
「さぁ！卵せんべい作ろう！」
Aはタコせんべいの袋を開け、１枚ずつその上にソースとマヨネーズを伸ばしていく。
天かす、目玉焼きを乗せて「完成！」と俺らに手渡してきた。
「ほんまは青のり乗ってたりするんやけど、高いからやめた！」
「これ、食いにくくね！？」
「卵落として泣く子もおるよ〜。上鳴、気を付けて。」
パリ...と小気味よい音をさせて、Aは卵せんべいに齧り付いた。
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作者名：梅シロップ | 作成日時：2017年7月14日 19時
