爆豪派閥の紅一点３【切島鋭児郎】 (ページ20)

今日:2 hit、昨日:31 hit、合計:86,095 hit

２０話目ページ20

「Aの最大火力なら...いくら俺より弱ぇっつってもこの部屋位はぶっ潰せっか...？」

「げっ...マジかよ！？」

それを聞いて俺は、手をギュッと握り締めた。

「うん、多分。それに慣れてなかったら、手が血塗れになるよ？勝己、自分の爆破で怪我した事ない？」

「...あんな、何回か。ババァに病院に連れてかれたわ。」

「派手な個性で羨ましいと思ってたけどよ...大変そうだな。」

「慣れたら大丈夫やけどな。私は鋭児郎の個性使えるかな？」

腕を前に出して、難しい顔をするA。

「やめとけ、A。俺のさ、右瞼に傷あんだろ？それ、個性発現した時に誤って目を擦っちまってさ。扱いなれてねぇと、ふとした時に危ねぇぜ？」

「わかった、やめとく。あー、この傷って...その時のなんや？」

右瞼を撫でながら、納得した声をあげた。

「ケンカとかじゃねぇのかよ？」

「誰かさんみてぇにケンカっぱやくねぇかんな？」

「あ？どういう意味だ、こら。」

爆豪は立ち上がったものの...Aの体を叩くわけにもいかず、舌打ちをしてまた座り直した。

「何か喉乾いたな〜。買いに行こかな？何か飲む？」

「おい、クソ髪。一緒に行け。何かあった時フォロー出来ねぇだろが？」

「...お、おう。爆豪は何飲むんだよ？」

「...コーラ。」

「じゃ、行こう！」

２人でエレベーターに乗り、１階で降りると上鳴と瀬呂がニヤニヤとした顔付きで近付いてくるのが見える。

「切島！ちょっと！」

「悪ぃな、A。待ってくれな？」

そう言って...中身がAの俺を連れて行ってしまった。

「わっ、わぁぁぁっ！」

しばらくすると、Aが叫び声をあげながら駆け戻ってくる。

「何照れてんだよ？切島！」

「やべぇだろ！？この大人の絵本！」

よく見ると瀬呂の手には...そういう系の雑誌が握られていて...俺の顔が引き攣ってくるのがわかった。

「上鳴、瀬呂...ちょっと来い。」

「え？A何だよ？」

「まさかこれが見てぇのか？」

俺が２人の手を取ると、嬉しそうな声を出しながら付いてくる。

「あのよ、落ち着いて聞いてくれよ？今...俺とAの中身が入れ替わってんだよ。だから俺だと思って雑誌を見せたのは...Aだ！」

「え？何を言ってんだよ、A〜。騙されねぇぜ？」

「んな訳ねえじゃん！大丈夫か？」

「...ならよ...。」

俺ら４人にしかわからない話をこいつらにしてやると...顔を青くして「マジか！？」と俺の体のAを振り返って見た。