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光「はい、これ。頼まれてたやつね」
もちろん、恋愛に現を抜かしてはいられない。
例の案件について、ぼんやりとした作戦を思い浮かべていた私は、
とりあえずそのための資料だけでも集めておこうと、飲み会帰りに八乙女先輩に協力を依頼していた。
A「ありがとうございます、助かります」
光「ん。また何かあったら言ってよ」
A「はい。お言葉に甘えて」
光「へへっ。 あ、俺あん時結構酔ってたからさ、頼んだはいいけどアイツ覚えてないかもなーって思ったでしょ？」
A「…ちょっとだけ。だって、あんな陽気な返事されたら不安にもなりますよ」
光「ふははっ、だよね。でもちゃんと約束果たしたから」
無事任務を果たして満足げな表情を浮かべた先輩の奥、有岡くんの手が止まっていることに気づいた。
しまった、あまりにも仲睦まじげな会話を繰り広げてしまった…
有岡くんは器用そうで器用じゃないので、聞き耳立てながら手元も動かすなんてことは多分できない。
つまり、手が止まっているということは少なくとも私たちの会話に気を取られているに違いない。
．
私と有岡くんのデスクのちょうど間に立っていた八乙女先輩が、去り際有岡くんに声をかけた。
大貴「うぉわっ、」
光「今日の昼、飯食いに行かない？」
大貴「あっ……はい、」
後ろから突然肩を叩かれて驚いた有岡くんは、怯えた小動物のように体を小さくして
これでもかってくらいの困り眉でそう答えていた。
よっぽど力が強かったのか、地味に叩かれた方の肩をさすっている。
そしてその直後、事件は起きた。
．
A「……！！」
あろうことか、八乙女先輩が私にウィンクを見せつけてから去って行ったのだ。
さらに恐ろしいのは、その一部始終を有岡くんがしっかりと見ていたことで
先輩のその行動を目撃した彼は、今度は物凄い勢いで私の方を見た。
見開かれた目、ひそめられた眉
今日初めて有岡くんと目が合った私は、なんだか容疑者にでもなったような気持ちだった。
多分今のウィンクには、
誤解はちゃんと解いておく、という先輩なりの意が込められているのだけれど
これもまた、有岡くんを誤解の渦の中に引きずり込んだに違いない。
去り行く八乙女先輩の後ろ姿を見ながら、私は彼の活躍を願うしかなかった…
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綾花(プロフ) - はじめまして。会社の設定などとてもリアリティがあって、心が温まる部分もあればとてもドキドキする社内恋愛のシーンもありとても面白かったです！またオフィスラブを書いてもらえると嬉しいです！これからも応援しています。 (2023年3月1日 17時) (
レス) id: 7111c84bf6 (このIDを非表示/違反報告)
HAЯU - 初めまして!大好きな有岡くんと、社内恋愛&同期の設定、神だと思いました、笑 純情ロメオも読みました!これからもお体に気をつけて頑張ってください応援してます! (2020年1月3日 20時) (レス) id: 0d57913dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - あおいさんはじめまして！いつも密かに読ませて頂いています！個人的に社内恋愛系大好きなので…同期の有岡くん最高に胸キュンでした！！続編も見てみたいです！ (2017年4月24日 0時) (レス) id: 19b2afc8b5 (このIDを非表示/違反報告)
明音(プロフ) - 完結おめでとうございます！続編も期待していいですか？ (2017年4月13日 1時) (レス) id: cb58bb6f94 (このIDを非表示/違反報告)
ももっぺ - 完結おめでとうございます！！すっっごく良かったです！！！終始ドキドキしてました！！！ (2017年4月4日 10時) (レス) id: 5640788ff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおい
| 作成日時：2017年3月17日 22時
