オワリにしよう。2（Daiki.A）

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八乙女先輩との昼食から戻ってきた有岡くんの表情は、晴れやかになっていた。


先輩が私に グッと親指を立てて見せていたので、どうやら誤解は解けたらしい。





それにしても、この先輩との一連のやりとり

まるで私が有岡くんに惚れてるみたいになってるし、いやそうなんだけど、なんならもうバレバレだし、
誤解解いてあげたよ、ありがとう、ってもうこの流れ…



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はっ！！！





どうしよう、八乙女先輩が
「あいつ、お前に誤解されてるんじゃないかって落ち込んでたよ！うきゃきゃ！」

なんて大胆な誤解の解き方してたら…






不安になって先輩の方を見たら、私に気づいていやらしい笑顔でピースサイン。


…そうだ、あの人も結構バカだってことを忘れていた。



たぶんもうダメだ。時既に遅し。

誤解はこういう風に解いてくださいね、とでもレクチャーしておくべきだったか…


いやいや、そこまで必死になるとそれはそれで八乙女先輩や薮先輩が喜んでひやかしてくるから、







大貴「ねぇ」


A「はいはい！なんでしょう！」




びっくりした、脳内会議してる時に急に…！


心臓止まるかと思った。有岡くんが目の前にいる、私呼吸してる、音聞こえる、よし、生きてる。





今の私の分析からいくと、彼とは非常に気まずい状況。


一体何を言われるんだろう…
怖いような…ドキドキ、するような…





．






A「……え？」


大貴「え？ …どう？」


A「……なにが？」




身構える私の目の前で、有岡くんはなぜか何度もウィンクをした。



とても可愛くて、キュンとして、愛らしくて、胸がむずむずして、えっと……





とても、反応に困った。


何やってんだ、この人。








大貴「えっと…目に、ゴミが、いてててて」


あ、ごまかした。



A「あ、えぇ…そう、かわいそうに…」




私が思い描いていたものとは全く違う気まずさが漂っている。





おそるおそる八乙女先輩の方を見ると、さっきよりもずっとずっといやらしい笑顔でこっちを見ていた。わざとらしく口元に両手を添えて、押し殺すように笑っている。





きっとお昼食べてる時にあの人に変なこと吹き込まれたんだ、有岡くん。かわいそうに。


それを実行する有岡くんも有岡くんだと思うけど。






結局、八乙女先輩がどんな手段を使ったのかは、謎に包まれたままである。


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