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三十一 ページ35

途端咳をしだす楓原に焦る

万「…っげほ、…、…けほ…、ひゅ…」

なんだか、あの時と立場が逆みたいだ
どうしていいか分からずただ楓原を見つめる

楓原はこちらを見て気まずそうにした

万「………拙者は大丈夫でござるよ」

万「だからそう不安そうな顔をするでない」

大丈夫、な訳ない
さっきから苦しそうにしている

なにかが原因で体に負担がかかっているのだろう

『大丈夫な訳、ない…だろ…ばか、ばかえではら』

そう小さくこぼせばこちらを物珍しそうに見て口元を綻ばせる楓原

万「…ふふ、心配してくれていたのでござるか?」

そう言われもうヤケになった

『うん、そうだけど、……っな、なんだよ!、』

言ってしまったことに少し後悔。
というか、かなり後悔

万「そ、それ、は………Aは…ふむ、その…」

万「拙者を…、どう思っているのだろうか、?」

どう、思っているか
…………きらいでは、ない

じゃあなんだ?わからない、考えれば考えるほど、頭がこんがらがる

万「…自惚れているかも知れぬが、……



Aは拙者の事を、ほんの少し、好いているのではないか」


『っな、!?…ぅ、自惚れすぎだ、!!』

どこか否定できないでいる自分が悔しくて、恥ずかしくて
もう後に戻れない様な気がして

僕、は、楓原が、すき…なんだろう。

自覚するのと同じような感覚に陥る
そんな感覚すらもなんだか気恥ずかしくて

万「だがAの顔は拙者を肯定するかの様に赤くなっているでござる」

万「…この際、本気で応えてはくれぬか」

万「拙者はAが好きでござる。

Aが居なければ、そうでなければならない

……どうか、拙者と付き合ってはくれぬだろうか、」

弱気に見える楓原
だけど瞳は真っ直ぐ僕を貫いている

ここまで言われて、すこし、嬉しいと思っている自分に肯定してもいいのだろうか
許して、いいのだろうか
今までを、許されていいのだろうか

『………うん』

今はそれしか答える事はできない
これでも精一杯応えた方だ

楓原は嬉しそうに、泣きそうに口元を緩ませた
そして僕を力一杯抱きしめる






『っか、かえではら、!け、怪我してるなら早く治療しろよ…!』

少し手についた楓原の血に焦る
楓原はそんなのどうでもいいという様な、そんな顔で笑っている

黙っているのはなんだか変だ

…僕も、なんだか変

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河井 - ぷんさん» 嬉しさ満開!いい言葉ですね!!楓原万葉…罪な男です。ただし私が書くものはどうしてもネタ寄りにまでなってしまうので…真面目な万葉も頑張って書いていきたいと思います…!こちらこそありがとうございます! (2023年1月9日 0時) (レス) id: 8a7a723f92 (このIDを非表示/違反報告)
ぷん - ひゃー!!!!推しのBLだぁぁぁ!!!!!嬉しさ満開!!!なかなかないから本当に嬉しいですありがとうございます泣 (2023年1月8日 14時) (レス) @page9 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
河井 - 夜叉さん» わひゃー!!!嬉しいですありがとうございます…… (2023年1月6日 16時) (レス) id: 8a7a723f92 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉(プロフ) - 神作を見つけてしまったありがとうございます推しが尊い(殴 (2023年1月6日 16時) (レス) @page4 id: 0a276b4c2c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:河井 | 作成日時:2023年1月6日 11時

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