【原神】楓原万葉に狙われてます (男主)

十四 ページ18

浅野side

何気に今まで聞いたことのなかった言葉

勝手に付き合っている事になっているのかと思えば
そんな事はなかった様だ

弱々しく呟く楓原。

ダメだ、妹が好きなんだよ、お前のこと
それに…僕はお前が…

『嫌い、な、んだ…いいから離せ、』

胸がジクジクと痛む

ぐ、と押してもさらに抱きしめる力が強くなる

万葉「……それはお主の本当の気持ちでござるか？」

『本当だ！離せ！』

頬を両手で挟まれ目を合わせられる
紅の瞳に見つめられ言葉が詰まる

万葉「…だとしても拙者は諦めないでござるよ」

短く触れた唇
愛らしいと物語る様な眼差し

ぱっ、と手を離され後ろに反っていた体が倒れる
楓原が立ち上がり手を差し伸べる

万葉「ふ、大丈夫でござるか」

微笑む楓原に苛立ちながらも手を借り立ち上がる

何も言えないでいる僕の頭を撫で
「また」と一言。

地図を大切そうに懐に仕舞い背を向けた


…しまった、刀を持ってくるのを忘れた

きす…を、された…
そう思った瞬間唇を直ぐに拭った

最悪、最悪最悪…
初めてが彼奴なんて、最悪だ






家に帰り直ぐに布団に体を沈める

まだふわふわとする頭
訳がわからない、そもそも、好きなんてどうして言えるんだ
出会うきっかけも無かった。好きになる様な会話もしていない


ふと初めて会った時を思い出してみる

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