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二十一 ページ25

流血表現あり

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NO side

許せない、怒涛の一心である

愛慕した者がここまで悲しみ弱りきっている。胸が潰されるように痛い
涙を流した跡が残る頬を撫でる

いつもなら払われるであろう行為であるのに
Aは一向に動かないでいる


Aの持っていた刀と書物を家族へ渡し、笠を被り
Aの祖父の家へと足を向ける


まだ血の匂いが強い
風がどんよりと重く、身体を動かす気すらも削がれる




風に乗って男2人の笑い声が聞こえる
体もろとも投げ出すような声で笑い転げている
なるべく平常心を保つべく目を瞑る

遠くは無い。どこかに隠れている




少し離れた場所の空き家に漂う酒の香り
耳を澄まさずとも聴こえてくる下劣な言葉の連鎖

「馬鹿なじじぃだ!まんまと俺らの言葉に騙されやがった」
「手に入れた物は高価なものばかり…くくっ、どれもこれも婆さんの遺品だとよ」
「ほう、遺品…。そういや孫がなんだとかほざいていたな」
「ああ、知ってるぜ、浅野のじじぃの孫、確か息子の家系の次男だ」
「へぇ?じゃあそいつを利用すりゃもっと楽に手に入れられたかも知れねぇな」
「息子んとこの家は織物屋だった筈だ…、下手すりゃもっといいもんが…」


途端勢いよく開かれる、否、破壊される扉

「何もんだ?…なんだ、餓鬼じゃねえか?死 にたくねぇなら金品よこして消え」
男の言葉が途絶えたのは無論、楓原が首に刀を押し当てたからである

「な、何がおこっ」

『その汚らしい口を開くな。拙者の質問のみ答えよ。さもなくば首が跳ぶ』

そなたも嫌であろう?黒く澱んだ瞳でもう1人の男を見つめた
男は成す術なく頷く

『正方な答えが聞こえなければ斬る。

一つ、何故浅野を狙った』

動くことなく真っ直ぐとした瞳で見つめられ男はたじろぐ。
行の経緯を正当化し述べようとも、全てを見透かしているような瞳に息が詰まる

「それは、……あの爺さんが1番狙いやすくて馬鹿だったんだ!…、年老いていて一人暮らし、
これ以上にこちら側が優位な事はない…!」

もう話しただろう!そいつを離せ!と嘆くが楓原に慈悲はない

『一つだけとは言っておらぬ。それに…拙者の質問のみ答えよ、と言った筈』

鋭く見据えられ男は更に震える
涙を流す男に呆れながらも手元にいる男の首に刀をじわじわと当てていく
少しずつ流れる血をうざったそうに払いながらもう一度向かいの男に目を向けた

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設定タグ:原神 , 男主 , 楓原万葉
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河井 - ぷんさん» 嬉しさ満開!いい言葉ですね!!楓原万葉…罪な男です。ただし私が書くものはどうしてもネタ寄りにまでなってしまうので…真面目な万葉も頑張って書いていきたいと思います…!こちらこそありがとうございます! (2023年1月9日 0時) (レス) id: 8a7a723f92 (このIDを非表示/違反報告)
ぷん - ひゃー!!!!推しのBLだぁぁぁ!!!!!嬉しさ満開!!!なかなかないから本当に嬉しいですありがとうございます泣 (2023年1月8日 14時) (レス) @page9 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
河井 - 夜叉さん» わひゃー!!!嬉しいですありがとうございます…… (2023年1月6日 16時) (レス) id: 8a7a723f92 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉(プロフ) - 神作を見つけてしまったありがとうございます推しが尊い(殴 (2023年1月6日 16時) (レス) @page4 id: 0a276b4c2c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:河井 | 作成日時:2023年1月6日 11時

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