変えられない ページ31
少しの間、そのピアスをじっと見つめて半ば無理矢理目を逸らし大きく息を吐き出した。
聞けばよかったのに。
おどけた調子であのピアスはなんですか？やっぱり彼女いるんじゃないですか？って。
それが私のはずなのに…
気になって仕方が無いから次会った時にでも遠回しに聞いてみよう。
この前は体調が悪くてそれどころじゃなかったんですけど、って切り出せばおかしくないはず。
このままモヤモヤしてたらおかしくなりそうだもん。
そう決めて病院に行く支度を進めた。
流石に化粧水等は置いていなくて、奇跡的に鞄に入っていたスプレーの化粧水を適当に振りかけ適当に化粧をした。
鏡を見つめながら、ミンソクさんに少しでも振り向いてもらえるにはどうしたら良いのかと考えていることに気付いて頬を軽く叩いて鏡の中の自分に戒める。
私じゃ無理だ。
特に今は2つの私でグラついているっていうのにこんな状態じゃ余計に。
スマホに目をやると1件のメッセージが入っていることに気付きそれを開くと自然と頬が緩んでいた。
ベクからだ。
“おはようございます！先輩、体調少しは良くなりましたか？病院に行って薬飲んでゆっくり寝て下さいね”
わざわざメッセージまでくれるなんて本当にいい子だ、ベクは。
こんな私に優しくしてくれるんだもん、大事にしなきゃ。
返事を返して少し余った時間をテレビを見ながら過ごし、9時を過ぎてから誰もいない部屋にお邪魔しましたと挨拶を残して合鍵で施錠しミンソクさんの部屋をあとにした。
最初で最後かもしれないミンソクさんの部屋はドタバタで余り多くの記憶は残らなかったのに女の影だけは妙に私の中にしこりを残した。
病院はさほど待たずに診察を受けることができ、処方箋を出してもらい薬をもらってから居場所が無い私はとりあえず近場のカフェに入った。
弟に再度連絡を取り今日なら家にいるから大丈夫と返事が来たので夕方にはとりあえず落ち着ける。
鍵の手配もして明日からは自分の家に戻れるのでとりあえず一安心だ。
体調も万全では無いので早くゆっくりしたいのに行き場のない今の時間の過ごし方を決めかねていると突然肩を叩かれ、驚いて振り返った。
そしてそこにいた人物に驚きすぎて声も出せずに固まってしまった。
｢やっぱり…A先輩だ｣
低い声と大きな目。
そこにいるだけで目を惹く背の高い男の人。
｢チャニョル…｣
どうしてこううまくいかないんだろう。
何かあるとすぐに波がやってくる。
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K(プロフ) - さえさん» そう言っていただけるととても嬉しいです(;_;)コメントもたくさんくださって本当に力になっています！ありがとうございます！！ (2018年3月15日 18時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - グロリオサさん» 他の作品も読んで下さっているんですね、ありがとうございます…！ありがたいうえに私には勿体無い言葉ですがとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月15日 18時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 暗いとか思ったことないです！切なさもあり心温まるストーリーを書かれるkさんの言葉の紡ぎ方がとても大好きです！更新楽しみにしてます(^ ^) (2018年3月14日 0時) (レス) id: 74d5d29218 (このIDを非表示/違反報告)
グロリオサ(プロフ) - Kさんが書くお話はどれも切なくてハラハラしながら時間を忘れて読んでしまいます。いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2018年3月13日 17時) (レス) id: e0624b2322 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ケイカさん» コメントありがとうございます！私にはもったいないお言葉…(;_;)もう少しお話は続きますのでこれからもよろしくお願いします！ (2018年3月13日 7時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2018年1月31日 22時
