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咄嗟に気の利いた言葉も何も出てこなくて口を開いても意味の無い音すら出てきてくれない。
まさかこんな所で会うなんて誰も思わないじゃないか。
｢あー…えっと、覚えてます？俺のこと｣
どうやら何の反応も返さないので自分の事を忘れられたのではと不安になったらしくオドオドと無意味に手を顔の横で振って顔を強ばらせている。
｢まさか、ちゃんと覚えてるよ…驚いただけ｣
そう答えるとわかりやすくぱあっと表情が晴れて目がキラキラとする。
全然変わらないんだなぁ、こういうところ。
｢久しぶり、チャニョル｣
｢お久しぶりです！｣
にこにこと白い歯を見せて笑う姿が眩しくて、視線をずらしてしまった。
私には眩しすぎるんだよ君は。
｢元気でしたか？いやー、ほんと久々だ、何年ぶりですか！？いやすげえこんなところで会えるなんて！｣
興奮気味で捲し立てられ呆然とした。
どうして？
なんでそんなに私に会えたことが嬉しいみたいな…
｢あれ以来1度も連絡取ってないじゃないですか〜ずっと気になってたんですよ、どこで何してるのかな〜って。連絡してみようかと何度も思ってたけど着信拒否とかブロックとかされてたらどうしようって思ったら怖くて怖くて…あ、もしかしてしてます…！？｣
｢え、いや、そんなわけ…｣
｢まじか良かったー！なら早く連絡取れば良かった！もー心配して損した！いや〜ほんと良かった、もう俺あれからずっと｣
｢ちょっと、チャニョル…！｣
あまりにも凄い勢いで話すので圧倒されかけていたけれどなんとか割り込んで遮るとキョトンと目を丸くして私を見つめた。
｢あの…チャニョルはその、あの日のこと…｣
｢すみません、本当はその日のうちに謝らなきゃいけなかったのに…｣
｢え？なんでチャニョルが謝るの？｣
今度は私がキョトンとする番だった。
チャニョルに謝られるようなことをされた覚えがない。
謝るのはどう考えても私なのに。
｢え、だってそりゃあアレは…わ、え、大丈夫ですか！？｣
チャニョルの言葉を遮るように治まっていた咳が激しく込み上げて、気遣うように背中に遠慮がちに手がのせられた。
｢大丈夫、風邪引いちゃって｣
｢すみません、気付かないで…よく見たら顔色良くない｣
大丈夫だと伝えるために咳を押し殺しながら首を振るとそれでも心配そうな瞳が覗いてくるので頬が緩んだ。
本当に変わらないや。
それが私には少し、いや、とてもありがたかった。
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K(プロフ) - さえさん» そう言っていただけるととても嬉しいです(;_;)コメントもたくさんくださって本当に力になっています！ありがとうございます！！ (2018年3月15日 18時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - グロリオサさん» 他の作品も読んで下さっているんですね、ありがとうございます…！ありがたいうえに私には勿体無い言葉ですがとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月15日 18時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 暗いとか思ったことないです！切なさもあり心温まるストーリーを書かれるkさんの言葉の紡ぎ方がとても大好きです！更新楽しみにしてます(^ ^) (2018年3月14日 0時) (レス) id: 74d5d29218 (このIDを非表示/違反報告)
グロリオサ(プロフ) - Kさんが書くお話はどれも切なくてハラハラしながら時間を忘れて読んでしまいます。いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2018年3月13日 17時) (レス) id: e0624b2322 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ケイカさん» コメントありがとうございます！私にはもったいないお言葉…(;_;)もう少しお話は続きますのでこれからもよろしくお願いします！ (2018年3月13日 7時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2018年1月31日 22時
