クズの文豪

遮るピアノ音 ページ9

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次の日



生徒達｢｢アハハっ！｣｣





敦｢こらー！廊下は走っちゃ駄目ですよー！｣





生徒達｢｢ハーイ！｣｣




敦｢フッ｣




『ん？』





敦｢云ってみたかったんですよ

"廊下は走っちゃいかん"ってドラマやアニメみたいに｣







『そんなことより何で私が手伝わないと
いけないんですかー』





敦｢だってAちゃんじゃないと頼みづらいんですよ｣







『しょうがないな、もう………

で、どこまで運ぶの？』





敦｢国語準備室だよ｣





え、それって…………







ふ………二人きりじゃん！！








チャンス！ドキドキしてる場合じゃないよ





敦｢プリントはそこに………｣






今私がすべきこと






敦｢ハァ…………重かったね｣




少しでもお兄ちゃんに異性として意識してもらえる存在になること。






《〜♪》







あっ






ピアノの音





あの人の………






敦｢上手だよね、いつも聞こえてくるんだ｣




『…………………』





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『音楽教師なんだからピアノぐらい

弾けて当たり前じゃん！』





中｢マイクで云うなよ！｣





『吐き出すようにして前に前に漕げば

僕らの未来は加速して行くだろう〜♪』







中｢諦めようとしないのかよ？｣





『いまこの時が〜♪…………』





中｢なんかもっと若くて
カッコイイ奴いるんじゃねーのかよ

あー、別に俺………とか
そういうことじゃないからな｣









『………………お兄ちゃんは』









中｢あっ？｣







『お兄ちゃんはカッコイイよ！』







中｢……………泣くなよ｣

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