𓃠 ページ41
𓃠
「アーッすっきりした! これで気持ちよく眠れるわ!!」
「……随分と楽しそうだったな」
「こんなに着飾るのは久しぶりだもの。事実楽しかったわよ」
貴方を想って選んだというのも本当よ、とご機嫌に頬へ唇を寄せれば、クロコダイルもまた愉快そうに口角を上げる。Aが事の顛末を話し見返してやりたいと言った時は呆けていたが、彼からしてもいい塩梅にスッキリしたのかもしれない。
しかし。と、Aは少し後悔した。折角綺麗な格好をしたというのに、楽しい時間は終わってしまったのだ。この際もう少し遊んでも良かったか、と息を吐いた。
「こんな機会は滅多にないもの。貴方と踊ってみたかったわ」
「……」
「あら」
クロコダイルがAの手を先程と同じように取ったので、意図を察した彼女も頬を染める。嬉々として立ち上がり彼の背に───身長差故肩へ伸ばすことは叶わない───手を回し、そうしてゆっくりと動き始めた。
スーツを着たままのダズはやれやれと首を振りながら、しかし気を利かせてレコードを弄りワルツを流す。窓の外にある満点の星空と輝く街明かりを背景に踊る二人の姿は、中々どうして素敵であった。
「……悪くねェな」
呟かれた声に笑いを零して、Aは回る。ドレスの裾が風を孕み膨らむのを感じながら、穏やかな幸福に酔い痴れた。
…
(社交ダンスが大好きな白鯨なので、自カプにも踊って欲しいとずっと思っていたのです。夢が叶った。)
(サーに「Shall we dance?」と言って貰いたくもあったのですが、無言で手を引くのもまた素晴らしいなと…この男、何をさせてもセクシーで素敵なので困りますね…)
(蛇足: 計画段階の会話
「目を向けるな?」
「そう。一時も視界に入れないで欲しいの」
「まア端から見るつもりもねェが。……それだけでいいのか?」
「いいの。わざとらしい事なんてなくっても、私が勝っているのは確定事項だもの」
「──クハハッ!! 確かにそうだな。あんな女とは比べ物にならねェ」
「……」
「何赤くなってやがる」
「や、本人から言われるとこう、破壊力が」
「アァ? 今更だろうが」
「くう」)
150人がお気に入り
「ONEPIECE」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おはよ - めっちゃ面白い作品でした!最高です (2023年3月20日 22時) (レス) @page44 id: d4f6705fb9 (このIDを非表示/違反報告)
白鯨(プロフ) - みうしさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます! 私としましてもまだ書きたいものが幾つかありますので、またぼちぼち気まぐれに更新しようかと思います。何卒気長にお待ちください。 (2022年11月13日 23時) (レス) @page32 id: 7a595430fd (このIDを非表示/違反報告)
みうし(プロフ) - 大好きな作品が終わってしまって寂しい〜〜泣泣と思っていたら番外編も書いてくださるんですか😭😭是非読みたいです……!! (2022年11月12日 8時) (レス) id: f1ae5cae79 (このIDを非表示/違反報告)
愛ってなんや? - 面白いです!!続き待機してます!! (2022年10月23日 14時) (レス) @page19 id: 027cc676f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:白鯨 | 作成日時:2022年5月25日 10時