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「アーッすっきりした! これで気持ちよく眠れるわ!!」
「……随分と楽しそうだったな」
「こんなに着飾るのは久しぶりだもの。事実楽しかったわよ」


 貴方を想って選んだというのも本当よ、とご機嫌に頬へ唇を寄せれば、クロコダイルもまた愉快そうに口角を上げる。Aが事の顛末を話し見返してやりたいと言った時は呆けていたが、彼からしてもいい塩梅にスッキリしたのかもしれない。



 しかし。と、Aは少し後悔した。折角綺麗な格好をしたというのに、楽しい時間は終わってしまったのだ。この際もう少し遊んでも良かったか、と息を吐いた。


「こんな機会は滅多にないもの。貴方と踊ってみたかったわ」
「……」
「あら」

 クロコダイルがAの手を先程と同じように取ったので、意図を察した彼女も頬を染める。嬉々として立ち上がり彼の背に───身長差故肩へ伸ばすことは叶わない───手を回し、そうしてゆっくりと動き始めた。
 スーツを着たままのダズはやれやれと首を振りながら、しかし気を利かせてレコードを弄りワルツを流す。窓の外にある満点の星空と輝く街明かりを背景に踊る二人の姿は、中々どうして素敵であった。



「……悪くねェな」


 呟かれた声に笑いを零して、Aは回る。ドレスの裾が風を孕み膨らむのを感じながら、穏やかな幸福に酔い痴れた。








(社交ダンスが大好きな白鯨なので、自カプにも踊って欲しいとずっと思っていたのです。夢が叶った。)

(サーに「Shall we dance?」と言って貰いたくもあったのですが、無言で手を引くのもまた素晴らしいなと…この男、何をさせてもセクシーで素敵なので困りますね…)


(蛇足: 計画段階の会話

「目を向けるな?」
「そう。一時も視界に入れないで欲しいの」
「まア端から見るつもりもねェが。……それだけでいいのか?」
「いいの。わざとらしい事なんてなくっても、私が勝っているのは確定事項だもの」
「──クハハッ!! 確かにそうだな。あんな女とは比べ物にならねェ」
「……」
「何赤くなってやがる」
「や、本人から言われるとこう、破壊力が」
「アァ? 今更だろうが」
「くう」)

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おはよ - めっちゃ面白い作品でした!最高です (2023年3月20日 22時) (レス) @page44 id: d4f6705fb9 (このIDを非表示/違反報告)
白鯨(プロフ) - みうしさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます! 私としましてもまだ書きたいものが幾つかありますので、またぼちぼち気まぐれに更新しようかと思います。何卒気長にお待ちください。 (2022年11月13日 23時) (レス) @page32 id: 7a595430fd (このIDを非表示/違反報告)
みうし(プロフ) - 大好きな作品が終わってしまって寂しい〜〜泣泣と思っていたら番外編も書いてくださるんですか😭😭是非読みたいです……!! (2022年11月12日 8時) (レス) id: f1ae5cae79 (このIDを非表示/違反報告)
愛ってなんや? - 面白いです!!続き待機してます!! (2022年10月23日 14時) (レス) @page19 id: 027cc676f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白鯨 | 作成日時:2022年5月25日 10時

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