IV ページ4
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『その必要がねェから手元に置いてやってんだ』
「……」
『アレは、時々構ってやりゃァ満足する利口な飼い猫だからな』
「あんまり放っておくと、逃げ出すかも知れないわよ」
『それは有り得ねェ』
即答で言い切った彼に、ロビンは口を噤んだ。
「随分な自信ね」
『まァな。何にせよテメェには関係の無い話だ。──用がある、俺の部屋まで来い』
そうしてガチャリと切られた電話に、彼女は腑に落ちないような、不満そうな顔をする。“用”の詳細を言わなかったのは私が聞いている可能性を考慮しての事だろう。抜け目のない男だ。思わずふふ、と笑いを零す。
「呑気ね……あなた、本当にこのままでいいの? まるで籠の中の鳥じゃない」
「籠の中でも、愛でて貰えるなら幸せよ」
「そう……」
「心配してくれてありがとう、ロビン。また相談に乗って頂戴ね」
「……ええ。勿論」
物言いたげな視線を潜めてニッコリ笑い返してくれる彼女の優しさが、何より好きだ。
また一人になってしまった。今日はこれから何をしようか。水槽を眺めながら体を伸ばして考える。
そうだ、絵にしよう。また新しい何かを描こう。最近は料理とピアノに夢中だったから、いい気分転換にもなるはずだ。
水槽の側──部屋の端っこにぽつんと置かれた丸椅子には、カラフルな染み跡が沢山あった。そろそろこれも買い換えた方がいいかもしれないな。
傍らに置かれた木箱の中には、色とりどりの絵具がズラリと並んでいる。
今日は何を描こうか。名前も知らぬ街の風景。満点の星が煌めく美しい夜空。今まで、色んなものを描いてきたけれど──その景色を通して見詰めていたのは、いつも同じ人の姿だった。
「……愛でて貰えるなら、幸せよ……」
その言葉に嘘は無い。彼が用意してくれた籠の中は居心地がよくて、ちっとも不幸なんか感じないのだ。あの人の言うとおり、私はただの猫なのだ。今日も今日とて利口に飼い主の帰りを待っている。
彼に抱かれて眠る夜は、いつだって幸福だ。
ただ──ほんの、少しだけ。
キャンバスにべたりと刷毛を押し付ける。濃い青色が白を汚す。頭の中に浮かんでいるのは、いつか見た朝日に照らされる水平線。
あの海を一緒に見たのが誰だったのか、もう覚えてはいないけど。
いつか、あなたの隣で。
ただ──ほんの、少しだけ。
寂しかった。
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転生したら最強だったので海軍で好き勝手したいと思います !【ONE PIECE】
ワンピ達の反応集というかやってみたって言うかなんと言うか、、
【ONE PIECE】ハートの海賊団の�狎篝い糧�女�瓠撻肇薀侫．襯�ー・ロー】��
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おはよ - めっちゃ面白い作品でした！最高です (2023年3月20日 22時) (
レス) @page44 id: d4f6705fb9 (このIDを非表示/違反報告)
白鯨(プロフ) - みうしさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます! 私としましてもまだ書きたいものが幾つかありますので、またぼちぼち気まぐれに更新しようかと思います。何卒気長にお待ちください。 (2022年11月13日 23時) (レス) @page32 id: 7a595430fd (このIDを非表示/違反報告)
みうし(プロフ) - 大好きな作品が終わってしまって寂しい〜〜泣泣と思っていたら番外編も書いてくださるんですか😭😭是非読みたいです……！！ (2022年11月12日 8時) (レス) id: f1ae5cae79 (このIDを非表示/違反報告)
愛ってなんや？ - 面白いです！！続き待機してます！！ (2022年10月23日 14時) (レス) @page19 id: 027cc676f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白鯨 | 作成日時：2022年5月25日 10時
