XII ページ12
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地下のパーティー会場から最上階まで上がり、彼は当然のようにスイートルームへと足を進めた。無駄に広い部屋と無駄に大きいベッド、浴槽、極めつけに街を一望できる屋外プール。外出先ではお風呂さえ滅多に浸からないというのに、なぜあえてプール付きの部屋を選んだのか……。
しかし今はそれが何より有難いので、何も言わずにおくとする。
「適当に寛いでいろ。俺は少し出る」
「そう。今日はもうどこにも行かない?」
「ああ」
言うだけ言って、彼は砂と化し掻き消えた。……気を使ってくれたんだろうか?
広い部屋に一人取り残された私は、うんとひとつ伸びをして、腰元の大きなリボンに手を掛けた。
*
「はァ〜、しあわせ……」
ひんやり冷たい水に浸かると、ハイヒールで歩き回って疲弊した脚の火照りが霧散していく。
プールサイドにはワイングラスがあり、眼前に広がるのは満点の星空とネオンに照らされた街。喧騒の声は無く、何かしらの機械音が遠くで響いている。
パーティーは好まないがこんな贅沢が出来るのなら悪くない、と揺れる水面を眺めていれば、眠気が穏やかに浸透していく。頬を撫でる温い風が冷水の気持ち良さを助長した。……瞼が重い。
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おはよ - めっちゃ面白い作品でした！最高です (2023年3月20日 22時) (
レス) @page44 id: d4f6705fb9 (このIDを非表示/違反報告)
白鯨(プロフ) - みうしさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます! 私としましてもまだ書きたいものが幾つかありますので、またぼちぼち気まぐれに更新しようかと思います。何卒気長にお待ちください。 (2022年11月13日 23時) (レス) @page32 id: 7a595430fd (このIDを非表示/違反報告)
みうし(プロフ) - 大好きな作品が終わってしまって寂しい〜〜泣泣と思っていたら番外編も書いてくださるんですか😭😭是非読みたいです……！！ (2022年11月12日 8時) (レス) id: f1ae5cae79 (このIDを非表示/違反報告)
愛ってなんや？ - 面白いです！！続き待機してます！！ (2022年10月23日 14時) (レス) @page19 id: 027cc676f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白鯨 | 作成日時：2022年5月25日 10時
