念願の思いで付き合えた彼氏のジェイドをデートに誘ったらフロイドが来た話。

19話 ページ19

フロイドに空いている席に案内され、大人しく席に座ると「じゃ、ケーキ持ってくるから待ってて〜」とまだメニューも見ていない私を残して彼は厨房へと向かってしまった。






久々に来たモストロ・ラウンジは前に来た時と変わっていなくて、少し安心した。






相変わらずお洒落な店内で、とても落ち着いている。






何となく目の前にあるメニュー表に目を通しつつ周りの様子をうかがう、

皆スウィーツを頼んでいるところを見ると本当にスウィーツフェア中なんだろう。








さて、どうやってここから逃げようかと考えていると「ジェイド先輩」という女の子の可愛らしい声が私の耳に届く。









A「ジェイドって…」







パッと声のしたほうを向くとスラリとした体つきに海のように青い髪が印象の彼がいた



彼は私に気が付いていないのか隣に座っている女の子と楽しそうに話している。









隣の女の子が「ジェイド先輩」と呼ぶと彼は「はい、なんですか監督生さん」と私には見せてくれなかった愛おしそうな微笑みで女の子を見つめていた。





その笑顔はハチミツみたいに甘ったるくて、胸やけしそうで、





＿＿＿＿それでいて私が一番見たかった顔だった。








彼に会ったら半殺しにしてやろうと思っていたのに、今は苦しくて泣きそうだ。

彼が隣の女の子に愛おしそうに微笑むたび、心臓がぎゅうぎゅうと締め付けられて苦しい







A「あぁ、私、ほんとに馬鹿だ…」








散々彼のことをクズだなんだと罵っておいて、その実まだ彼のことが好きだったんだと

今この瞬間自覚した。

20話→←18話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す