声 ページ9
*
『A、A…』
…お姉ちゃん…?
どうしてだろう。お姉ちゃんの声が聞こえてくる。私の頭の中に響いてくる。懐かしい、優しい声に、泣きたくなる。でも、どうしてか涙は流れなくて。お姉ちゃんの声だけが、私の耳に届く。
ああ、そうか…私、死んだんだ。
だからお姉ちゃんの声が聞こえるんだ。じゃあ、お姉ちゃんに会える?
…お姉ちゃん…!
声を出そうとしても、どうやら出ないみたいだ。口は開いているのに、声が出ない。はたまた、自分の声が聞こえないだけなのだろうか。
視界は真っ暗で、私自身が目を開けているのか、閉じているのかすらわからない。ただただ、暗い。
お姉ちゃん、お姉ちゃん、何処にいるの…?
『A…、ーーーーー」
え…?何?なんて言ったの?聞こえないよお姉ちゃん。
『ーーーーー』
私に何を伝えたいの?お姉ちゃん、お姉ちゃんってば……!!
泣き出しそうなのに、声も、涙も出ない。身体も動かない。そもそも、身体なんてあるのだろうか。
でも、今は兎に角お姉ちゃんの言葉を聞いてあげなくちゃ。お姉ちゃんを見つけてあげなくちゃ。
私は必死にお姉ちゃん、お姉ちゃんと呼ぶ。呼ぼうとする。でも、どうしても声が出せない。まるで、金縛りにあったみたいに。
お姉ちゃん、お姉ちゃん……!なんて言ってるの…!?
……お姉ちゃん…!!
『……A……、自分の望む世界を、見つけて……』
鈴のように綺麗に響いた、お姉ちゃんの声。するとその瞬間、真っ暗だった私の視界はパアア……と明るくなっていく。
『……A……お姉ちゃんは、いつでもAの味方だからね……』
最後に、霞んでいく意識の中で、そんな声が聞こえた。
……お姉、ちゃん……。
*
……イ、オイ……!オイ大丈夫か…!オイ!
ちょ、どうしましょう…!救急車!?ちょっと救急車呼んで!
救急車アアアア!!!
だから誰がそんな呼び方しろっつったよ!!
……なんだろコレ。なんか、変な会話が聞こえる。何このコントみたいな会話。お笑い?
ていうかさっきまで、お姉ちゃんの声が聞こえていたはずなのに、誰の声だろう。この声は。
……それに、どうしてだろう。
何処かで、聞いたことのある声が、する。
……私は、ゆっくりと目を開いてみると、そこには3人の人が私を見下ろしているようで。
………何事?
***
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銀魂!ラッキー長篇んんん!
さらば真選組篇
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よもぎ(プロフ) - 面白いです!でも握手で右手をだされたら左手で握手っておかしい気が、、、でもかなり展開好きです! (2019年10月28日 23時) (レス) id: 445efeaafe (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 銀魂ーーー!!!(絶叫) (2017年5月6日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 恋雪さん» 本当ですか!?感動して頂けたなら幸いですっ!!ありがとうございます!頑張りますっ!! (2017年4月5日 10時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
恋雪 - とても感動してしまい泣いてしまいました!更新楽しみにしています!これからも頑張ってください (2017年4月4日 22時) (レス) id: 9613c7c3d9 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 龍神邪炎さん» コメント&ご指摘ありがとうございます!直しておきます!面白いと言って頂けて嬉しいです!頑張ります! (2017年4月3日 11時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年3月13日 23時