望む世界へ ページ8
これを呑み込んでしまえば、楽になれるかもしれない。
違う世界に行けるのかもしれない。
はたまた、逝ってしまうのかもしれない。
危険なことだとわかってはいても、それでもいいと思った。だって、この世界に居たって、何も変わらないもの。
おかしいな、こんなおかしなもの呑もうとしてるのに、怖くないや。
私は無表情のまま、自分の手に瓶に入っていた粒を全て出した。
たくさんの同じものが出てきた。それを私は躊躇わずに口の中へと放り込み、水を飲む。量がたくさんあるので、2.3回に分けて全て呑み込んだ。
無我夢中だった。全て飲み終えてふらふらと後ずさりし、冷蔵庫に背中を預けるとそのままズルズルと落ちていった。
もう、なんだっていい。どうだっていい。何もかもどうでもよくなった私には、私がこれからどうなろうと良くて、消えてしまっても良くて、むしろ、消えてしまいたくて。
『A、お姉ちゃんはいつでもAの味方だからね』
うん。最後の最後まで、味方でいてくれたね。お姉ちゃんは。でも今は、私の味方なんて誰一人いないんだ。
優しく笑いかけてくれる人も、撫でてくれる人も、誰もいない。
私がいなくなったって、悲しむ人なんていないんだよ。
……だから、いいの。これで。
そう思って、ふ、と笑うと、頭がふわふわしてきて、身体に力が入らなくなって、私はその場にペタリと倒れた。フローリングの床は冷たいはずなのに、もうそんな感覚もなくて。
ああ、これで、楽になれるんだ。
この世界から、やっと離れられるんだ。
霞んでいく視界に最後に写したのは、お姉ちゃんの遺影。優しく笑いかけてくるお姉ちゃんに、私も薄く笑い返した。
意識が遠のいていく。私はゆっくりと目を瞑り、視界が真っ暗になると、最後に小さく呟いた。
「私の世界に、逝きたい…」
頬に、熱いものが一筋、流れた気がした。
そこで、私の意識は途切れた。
『ご自身が望む現実(世界)へ、一命様ご招待』
銀魂!ラッキー長篇んんん!
さらば真選組篇
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よもぎ(プロフ) - 面白いです!でも握手で右手をだされたら左手で握手っておかしい気が、、、でもかなり展開好きです! (2019年10月28日 23時) (レス) id: 445efeaafe (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 銀魂ーーー!!!(絶叫) (2017年5月6日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 恋雪さん» 本当ですか!?感動して頂けたなら幸いですっ!!ありがとうございます!頑張りますっ!! (2017年4月5日 10時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
恋雪 - とても感動してしまい泣いてしまいました!更新楽しみにしています!これからも頑張ってください (2017年4月4日 22時) (レス) id: 9613c7c3d9 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 龍神邪炎さん» コメント&ご指摘ありがとうございます!直しておきます!面白いと言って頂けて嬉しいです!頑張ります! (2017年4月3日 11時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年3月13日 23時