我慢 ページ47
「……怖かった…?」
私がか?別に怖いだなんて思わなかった。だって私は、自分がどうなろうとどうでもいいんだもの。そんな私が自分の身を案じて怯える訳がない。
「別に……怖くなんてないのに…」
銀「じゃあなんでそんな面してんだ。泣きそうだぞ、お前」
「は?」
次々と銀ちゃんから放たれる言葉に私は驚愕し、そんな声を漏らした。震えがどうしても収まらない。それどころか、足まですくんでそのまま膝から崩れてしまった。自分のことなのにい全くわからなくて、目が丸くなるばかりだ。
「…なんで、こんな…」
銀「もういいだろ。強がんな」
「強、がる…」
強がっていたのか、私は。
そんなことを頭に浮かべた瞬間、ふわりと、ぬくもりが私を包み込んだ。
「……銀、ちゃ、ん…」
銀ちゃんが、私を抱き締めたのだと理解するのに、少々の時間を有した。だってこんなの、久しぶりすぎて。
誰かにこうやって抱き締められるのって、いつぶりだろう。
確か、頭を撫でられた時も思った。久しぶりだって。
……こんなに、こんなに暖かかっただろうか。人は、こんなに優しかっただろうか。
銀「お前が苦しいだけだろ。自分のことがどうでもいいなんざれ恐怖から、怯えから逃げるための嘘だ」
「…う、そ…?」
小さく、弱々しく呟いた。
嘘、それは、自分を護るための嘘、だったのか。だとしたら私は、とんでもないくらいの、臆病者だ。
銀「A、」
「…」
優しげに名前を呼ばれて、どうしてか、小さく、トクン、と鼓動が鳴った気がして、
「……っ」
気づいたら、私の頬には水が伝っていた。雨粒ではない、別のもの。
銀「よーしよし、怖かったなー」
「…う、……子供扱い、すんな……っ…」
溢れて溢れて止まらなくなったそれ。銀ちゃんがそう言って頭を優しく撫でて、余計に我慢できなくなって、嗚咽を漏らしながら言った。
でもどうしてか、ビックリするくらいに、暖かくて、安心してしまうのは。
お姉ちゃん以外の人の前でこんなに泣くのは、初めてだった。
「……怖かっ、た……よ……」
今まで塞き止めていたものを全部吐き出すように、泣きながら私は言った。
……初めて、そんな弱々しい言葉を。
銀魂!ラッキー長篇んんん!
さらば真選組篇
418人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よもぎ(プロフ) - 面白いです!でも握手で右手をだされたら左手で握手っておかしい気が、、、でもかなり展開好きです! (2019年10月28日 23時) (レス) id: 445efeaafe (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 銀魂ーーー!!!(絶叫) (2017年5月6日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 恋雪さん» 本当ですか!?感動して頂けたなら幸いですっ!!ありがとうございます!頑張りますっ!! (2017年4月5日 10時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
恋雪 - とても感動してしまい泣いてしまいました!更新楽しみにしています!これからも頑張ってください (2017年4月4日 22時) (レス) id: 9613c7c3d9 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 龍神邪炎さん» コメント&ご指摘ありがとうございます!直しておきます!面白いと言って頂けて嬉しいです!頑張ります! (2017年4月3日 11時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年3月13日 23時