つい ページ30
銀「ってぇ!?」
そんな声をあげながら思いきり殴ってやった頬を押さえて「何すんだオメーは!!」と。
銀「グーはねぇだろグーは!!」
「ごめんついわざと」
銀「わざとじゃねーかよ!!」
当然だ。何の権限があって人のことを断崖絶壁呼ばわりできるんだ。そこは一発くらわせないと気がすまないだろう。思いきりソイツを睨んでいれば、
銀「……で、どーすんだよ」
「…何が」
銀「着物に決まってんだろーが!!」
それ以外に何があんだ!バカなの!?とかなんとかほざくその天パにもう一度くらわせてやろうかと思う。
ていうか着物のことなんて苛つきのせいで忘れていた。ていうか銀ちゃんのせいで忘れていた。
まぁ、こうして着物を押さえてれば下着は確かに見えないし、今助けて貰わないと出ていけないし向こうは毒物があるらしいし…、
「……お願い、します…」
銀「仕方ねーな」
うつ向いてこれ以外ない屈辱を抱いて小さくそう口にすれば、そう言って尻餅をついていた銀ちゃんは立ち上がって着付けを始めた。
「……でも普通、着替えしてる女子の部屋にいきなり入らないよね。次やったらマジで殺るから」
銀「るせーな。今回は不可抗力だ多目に見ろ」
ぶつくさ言いながらテキパキと着物が私の身に纏われていく。意外の距離が近くて、なんだか……アレなのだが。
銀「殴られたのにも関わらずやってやる俺ってちょー優しー」
感謝しろよお前、と言いつつお腹の辺りに帯が巻かれる。巻く時に回ってくる銀ちゃんの腕が逞しい。
…思い返せば、男の人とこんなに近くにいるのは、初めてかもしれない。お父さんも私が生まれた時にはいなかったし。
……なんか変な感じだ。
何をするにも、私はいつもお姉ちゃんと一緒だったし、尚更だ。
銀「……おら、出来たぞ」
「…おぉ…」
と、さっき一人であたふたしていたのが嘘だったかのようにあっという間に着付けは終了したらしく、自分の格好を鏡で見てみると、なんだか新鮮だった。
鮮やかな黄色の、花柄の着物で、赤い帯がすごく映える、綺麗な着物。
うん。やっぱり、
「…やっぱり、似合わないなぁ…」
鏡に映る自分を見て、苦笑いしながら呟いた。なんか、着物が浮いてるっていうか。
まぁ、似合ってなかろうとなんだろうと、これから暫く着ていないといけないのだけれど。
鏡の自分に「ハハッ」と自傷気味に笑ってみれば。
銀魂!ラッキー長篇んんん!
さらば真選組篇
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よもぎ(プロフ) - 面白いです!でも握手で右手をだされたら左手で握手っておかしい気が、、、でもかなり展開好きです! (2019年10月28日 23時) (レス) id: 445efeaafe (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 銀魂ーーー!!!(絶叫) (2017年5月6日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 恋雪さん» 本当ですか!?感動して頂けたなら幸いですっ!!ありがとうございます!頑張りますっ!! (2017年4月5日 10時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
恋雪 - とても感動してしまい泣いてしまいました!更新楽しみにしています!これからも頑張ってください (2017年4月4日 22時) (レス) id: 9613c7c3d9 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 龍神邪炎さん» コメント&ご指摘ありがとうございます!直しておきます!面白いと言って頂けて嬉しいです!頑張ります! (2017年4月3日 11時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年3月13日 23時