嫌味 ページ26
「成る程ね。じゃあ早いとこ貰っておいた方がいいだろうし、今日行っても平気?」
制服のままじゃ無理がある。この世界で生きるのなら外見から馴染まなければ。そう聞いてみると新八はニコリと笑って「大丈夫ですよ」と。
銀「仕方ねぇ。じゃ支度するか」
「え、でも平気なの?仕事とか」
銀「……嫌味?」
「え」
薄っぺらい目で、死んだ目を更に暗くしてそう言った銀ちゃん。仕事が少ないとは知っていたけど、そんなにないのか。それはなんだか、悪いことを言ってしまったとらしくもなく思い、「ご、ごめん」とだけ口にし、私達は志村家に向かうべく、身支度を始めた。
今のところある私の服である制服に腕を通しながらそれにしても、と。
…新八のお姉ちゃんって、どんな人なんだろう。ふと、そんなことを思った。私には関係のないことだとはわかっていても、どうしてか気になってしまう。
……お姉ちゃん、いいな。
なんて思ってしまう私は、自分で呆れるくらいに、しょうもなくて、……弱い。
*
万事屋を出て、四人揃って歌舞伎町と呼ばれる街中を歩いていた。やっぱり人が多いな。流石は江戸。道行く人の波に流されてしまいそうだ。
周りの人とは違い、制服を着ている私はなるべく目立たないように銀ちゃんの陰に隠れて小さくなっていた。
銀「……あのさ、あんまくっつくなよ。歩きづらいだろ」
「仕方ないでしょ。浮くものどうしたって」
神「どの道浮いてるアルヨ」
日の光に弱いのだという夜兎の神楽は、紫色の傘をさしていた。その中に入ってやろうとすれば「狭い」と押し返されてしまった。
新「まぁまぁ、もう少しの辛抱ですから」
すぐに着きますよ、と苦笑いを浮かべながら言う新八。頼むから早く着いてくれ。ここからワープさせてくれと切実に願う。
周りからの視線に堪えきれず、思わず私は「うぅ…」と弱々しく唸り声を漏らした。
そして、視線から逃げ出したい衝動と戦いながら歩くこと数分、…とは思えないくらいに長く感じたが、漸く私達は、目的地である新八の家にたどり着いたのだった。
着いたその時には、私は既に瀕死の状態だったが。
銀魂!ラッキー長篇んんん!
さらば真選組篇
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よもぎ(プロフ) - 面白いです!でも握手で右手をだされたら左手で握手っておかしい気が、、、でもかなり展開好きです! (2019年10月28日 23時) (レス) id: 445efeaafe (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 銀魂ーーー!!!(絶叫) (2017年5月6日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 恋雪さん» 本当ですか!?感動して頂けたなら幸いですっ!!ありがとうございます!頑張りますっ!! (2017年4月5日 10時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
恋雪 - とても感動してしまい泣いてしまいました!更新楽しみにしています!これからも頑張ってください (2017年4月4日 22時) (レス) id: 9613c7c3d9 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 龍神邪炎さん» コメント&ご指摘ありがとうございます!直しておきます!面白いと言って頂けて嬉しいです!頑張ります! (2017年4月3日 11時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年3月13日 23時