一人 ページ3
「A、お姉ちゃんは、いつだってAの味方だからね」
唯一、私の味方でいてくれた、私のお姉ちゃんはもういない。数ヵ月前に、交通事故で他界したからだ。
私の味方はもう誰一人としていない。学校にも、家にも、何処にも。居るのは、私の敵か、傍観者だけ。
投げつけられる悪口、突きつけられる現実。今となってはそれすらもう、何とも思わなくなってしまった。
その代わり、最近はあることを思い始めている。
『なんで私は、こんな世界に生きているのか』
『どうしてここに存在しているのか』
『どうして生まれてきたのか』
こんな苦しい思いをするくらいなら、消えてしまった方がましだ。…死んでしまった方が楽になれるのにって。
…でも、死ぬ勇気なんてなくて。
自分が嫌になる。
私を必要としてくれる人なんて、もういないのに、どうして消えることも、笑うこともできないのか。
私がこの場所にいる理由が、もうわからないんだ。
そんなことを今日もいつものように頭にグルグルと浮かべて歩いていた。
澄み渡るあの空は、まるで私を見下しているように青くて、空は何も悪くないのにどうしてか苛立った。
高校2年の冬、帰宅部の私はまだ青い空の下、地面をただ見つめながら帰路を辿っていた。
なんとなく、今日学校で言われた言葉を思い浮かべてみる。大した意味もない、薄っぺらい言葉だとわかっていても、最初は辛かった。心にいちいち刺さって、何度泣いたかわからない。
でも、最近はもうどうでもよくて。
言われたことがどうでもいい、というよりは多分、自分のことがもうどうでもいいんだと思う。
…痛くも、苦しくもない。ただ何も感じない。
…気持ちが麻痺してるのかもしれないけど、特に支障はないしね。
むしろ自分に無関心になってから、ほんの少しだけ楽になったのも事実だ。
虚な気分のまま、小さな歩幅で歩く。
静かな誰もいない家に帰って、宿題をして冷たいご飯を食べて、お風呂に入って眠る。
バカみたいに毎日同じことを繰り返す日々。
つまらない。
いっそのこと、この世界じゃない何処かに行けたら。
いっそのこと、私のことを誰も知らない世界に行けたら、
もし、二次元の世界にいけたら、どれだけいいか、なんて。
「そんなこと、」
できるわけないじゃん。バカじゃないの、私。
何も感じない、でも何処か憂鬱な、一人ぼっちの帰り道。
「…お嬢さん、」
「!」
…いや。どうやら、一人ではなかったようで。
銀魂!ラッキー長篇んんん!
さらば真選組篇
418人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よもぎ(プロフ) - 面白いです!でも握手で右手をだされたら左手で握手っておかしい気が、、、でもかなり展開好きです! (2019年10月28日 23時) (レス) id: 445efeaafe (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 銀魂ーーー!!!(絶叫) (2017年5月6日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 恋雪さん» 本当ですか!?感動して頂けたなら幸いですっ!!ありがとうございます!頑張りますっ!! (2017年4月5日 10時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
恋雪 - とても感動してしまい泣いてしまいました!更新楽しみにしています!これからも頑張ってください (2017年4月4日 22時) (レス) id: 9613c7c3d9 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 龍神邪炎さん» コメント&ご指摘ありがとうございます!直しておきます!面白いと言って頂けて嬉しいです!頑張ります! (2017年4月3日 11時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年3月13日 23時