この朽ちた世界の果てに 【雪男】２

会議(mu) ページ35

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目「あの人なんて見るからに体力ありそうだし仲間にする価値あんじゃねえの」


逃げていた残りの男達も数人捕まえて来よった。
だいたい俺らとそう年齢も変わらない男達やし、こうして捕まってる間も特に抵抗もせんと周りをよく観察してて用心深さもあって、仲間にするの俺も賛成や。

強い味方が増えたら此処から出て残り少ない食料を探しに行くこともできるやろって。
うーん、と考えるリーダーを見とってきっとめめの意見を聞いてくれると思ってた。
めめは真っ直ぐな奴で、リーダーも結構気にいってるからな。


「駄目だ」


…………嘘やろ。なんでなん？

周りがザワザワと騒ぎ始める。


「これ以上人が増えると食料を調達すんのが大変になる」

目「でもゾンビにやり合える仲間は多い方がいんじゃねえの？」

「いや、無理に戦う必要はねえからな。今まで通り此処に紛れ込んできた奴らから奪いつつ助けがくるまで持てばいいんだ」

目「………」


めめはもう何も言わんかった。

やけど表情で分かる。納得できてないことは。


「だったらあいつらどうすんだよ？」

「…奪えるもんは奪って、外に放り出す」



残酷や。
外はうじゃうじゃとゾンビが腹を空かせてさ迷ってるいうのに、その中へ武器を持たずに……それは死を意味しとる。


めめが徐に立ち上がり部屋を出ようとしたら、リーダーが「分かってるよな」と、なんや念を押しよった。
めめは振り返ることなく部屋を出る。
俺もその後に続き部屋を出て、でも話す気にはなれずに自分の唯一気の休まる部屋へ向かった。

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