仮の仲間(mu) ページ34
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リーダーに怯え、ビクビクしながら暮らす日々。
こんなんが安全な場所やなんて俺は到底思えんなってた。
そしてアイツらがやって来よった。
この時バリケードを見張っていたはずの奴が居眠りしていたせいで、あっさりと警察署に数人が入り込みよった。
しかも最悪なんが残して置いた食料を食べられたことで、それを知ったリーダーはカンカンやわ。
「お前さ、見張りくらいちゃんとできねえのか? あ?」
「わ、悪かったっ。次はヘマはしない!絶対だ!」
「次なんてねえんだよ」
「や、やめてくれ! 外には出さないで!」
泣いて謝る仲間やったはずの奴を容赦なくバリケードの外へ連れ出した。
よくこんなことが平気にできるなって。
リーダーは「これで生き残る確率が増えたな」って、人が一人死ぬことによって自分の得るものが増えたことに喜んでいて、俺はその笑った顔を見てゾッと背筋を凍らせた。
頼むからようが済んだら早う出て行けよ、と思ってたのにシャワーを使っていたところで二人程捕まりよったわ。
んで後の奴らは逃げたらしい。
俺は追う側やなくて、見張り役になった。
「ごめんなぁ」
柱にロープで括られたせの高くて筋肉質な男と、こんな状況下にあるのに肝が据わっとんのか居眠りしとる男に小さな声で謝れば、筋肉質な男がチラッと俺を見上げた。
「謝るくれえなら、この縄解いてよ」
「それは……無理や」
「チッ! だったら謝んな」
グッと唇を噛んで耐えた。
俺かてほんまなら助けてやりたい。
けどそうして裏切れば、自分に明日はないねん。
どないしようもないやんか。
「なあ、めめ。俺ら間違ってへんか? このままでえんか?」
見張り役を交代して逃げてた奴を捜していためめと合流した俺は、めめに水を渡しながら意見を求めた。
俺はなんて言うてほしくてこんな質問を投げてるんやろな。
目「…よくはねえな。はっきり言って気に食わねえ。アイツのやり方には」
「そ、そうか?!」
そやんな!おかしいやんな?
人が人を支配しようとしてるなんておかしいやんな?
あー良かったわ。俺まだ正常な考えを持ってるみたいで。
目「どうにかしねえとな」
「どうにかって?」
ごくごくと水を飲んだめめは、また人捜しに戻る為に立ち上がった。
目「さあ? なんも思いつかねえから、とりあえずアイツらがどんな奴かだけ見ようと思う」
そう言って「うっしゃ!」と気合いを入れて部屋を出て行った。
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ゆきんこ(プロフ) - ayaさん» コメントありがとうございます!はい!終わりに向かってます。これからの展開どんな風に受け止めてもらえるか不安も多いのですが決めていた事なので最後まで貫き更新頑張ります!! (2021年8月15日 10時) (レス) id: bf817d2202 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 終わりに向かっていってるんですね!なぜこんな世界になったのか、、また困った展開も待ってるみたいですね!気になりますっ!!^ ^ (2021年8月15日 2時) (レス) id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 涼菜さん» ありがとうございます!!不定期更新ですがお付き合いしてもらえると嬉しいです(^^)頑張ります! (2021年7月29日 22時) (レス) id: 6bfa312962 (このIDを非表示/違反報告)
涼菜(プロフ) - いつも楽しみにしています!これからも更新頑張ってください(*^^*) (2021年7月29日 14時) (レス) id: ec45b950ff (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ふさん» ありがとうございます!彼らも前へ進みます(^^) (2021年7月29日 13時) (レス) id: 6bfa312962 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年11月19日 13時