クチナシさんが逆トリしてきました

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……まあ、そんな世の中上手くいくわけないよねぇ…




「はぁ………」




ほうと溜め息をついた所で、昼休み終了の鐘がなる。




「あと二時間頑張れば、帰れる……！」




えっと今日は、帰りにスーパー寄って買い物して、帰ったらまず米を研いで、ゲームをしよう。




「今日は納豆食べようかな〜。」




買いたいものリストを作成しつつ、予算とも相談をする。




幸い、午後の二時間授業はHR活動だから、下らない議題で盛り上がるだろう。




「えー、今日は、“学祭で何をやるか”を決めまーす。」




はい勝った。




どうせお化け屋敷とかになって、どんな内容にするかとかで時間潰れるんでしょ。




何にしても、私には関係ない事なので、ルーズリーフを一枚手に取り、買いたいものをまとめていく。









*









「さて帰るぞー！！」




「放課後に元気になるA見てると、本当に学校嫌なんだなぁって分かるよ…」




「そりゃあね？何か意見したらそれは違うとか頭ごなしに否定して、自分の考えを押し付ける馬鹿…もとい程度の低い人達と一緒に居る事がまず苦痛。」




「先生も、自分の言った事が正しい！っていうオーラが凄いしね！」




「そうそう！……あっ、もうスーパーのタイムセール始まるわ！じゃあね！」




「うん、また明日！」




走りながら手を振り、スーパーを目指して全力で駆ける。









*




「…なあねえちゃん、ちょっと良いか。」




スーパーまで後少しの所で、誰かに呼び止められる。




「何ですか？急いでいるので手短かに…」




声がした方を振り向き、その人を見て、声を失った。




「すまねぇな。おじさんちょっと混乱しちまってよ。…ああ、自己紹介がまだだったな。」




後頭部をボリボリかくその人は、赤い瞳で私を見下ろす。




「オレはクチナシっつーんだ。…変な事聞くが、ここはどこだ？」




これは神様の気まぐれなのだろうか。




会いたいと願っていた人に、会えるだなんて。

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