クチナシさんが逆トリしてきました

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「うわーやっちゃった……」




玄関まで急ぎ足で歩き、一回家に戻ろうか？いや、バイトの時間に遅れるわ。と結論が出て溜め息が出る。




今日もクチナシさんいないかなぁ……




「「キャーッ！！」」




玄関について、一応外の様子を伺うけど、クチナシさんの姿は見えなかった。




「えっ、超タイプなんですけど…」




それはもう仕方ないけど……




「あっ、目があった！！ヤバイヤバイ！！！」




……さっきからキャーキャーうるせぇよ女子。




外に誰かを囲むように女子(私可愛いでしょアピールがすごい奴等)が騒いでいる。




可哀想だな囲まれてる中心の人。




興味はないけど哀れむように女子達の隙間を横目で見てみる。




…………ん？いやいや、あの見慣れた服…




「ちょっとおじさん人探ししてるからよ…」




………間違いなくクチナシさんだわ…




「えー？何年何組の子ですかぁー？呼んできますよぉ？」




あきらか声つくってるだろ…と思いながら、あの怖い群れにつっこんで良いのか悪いのか困っていると、




「えっとな…クラスは分かんねぇけど、Aって名前なんだ。」




名前呼ばれたっ………




探しにいかなくても私はここにいるんだけど、さっさと救出しないとバイトの時間が……




とそこで、救いの手を差し伸べてくれたのは、




「あっ、Aのお父さんじゃないですか！お久しぶりです〜。」




「ああ、ねえちゃ…Aの友達の…」




「キョウです！あっ、Aあそこにいますね！」




どうぞこちらへ〜と言って女子の囲いからクチナシさんを出してくれたキョウは、そのまま私の所へ連れてくる。




………ありがとう…アクキーあげて良かった……！！！

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