まじない ページ16
『お久しぶりです。何十年も経って、本当に手紙を差し上げる事になるとは思わなかった。でもあなたはきっとこの事も知っていたのでしょう
あなたが言っていた少年が、先日店に来ました。聞いた通り、素直ないい子です。寂しがり屋で甘えん坊で、あなたの万華鏡を眺めながら飴で頬を膨らませているような子だ』
『ヨンジェが来るようになって数週間経ちます。昨夜、財閥関係者らしき男が数人店に来ました。彼らは財閥の子息と付き合う人間を選ぶ必要があると言っていたが、おそらく探していたのはあなたの痕跡だ。万華鏡は全て隠したし、素知らぬ顔で対応したから疑われてはいないでしょう。ですが安心は出来ないのであなたも気をつけてほしい』
『やはりあなたの読みは正しかったようだ。ヨンジェは一度、Aと会っている
昨日うっかりガラスで指を切った私に、彼はまじないをかけてくれた。最初は何語かもわからず聞いてみると、彼もわからないと言う。音で覚えていたまじないらしい。彼に聞いたまじないの全文をここに載せておきます。あなたは聞き覚えがあるでしょう』
【ノゾキコムト ツキガフタツ】
【テオヒラクト ホンガミッツ】
【ハトニキノミデ ノロイハトケタ】
『あなたに再び会えないまま文通を終えるのがとても悔やまれる。しかしヨンジェは私にとって可愛い孫も同然だ。彼のために、出来る限りの事をしておこう
あなたに言われたとおり、彼に森までの道を教えておきました。あのまじないも、口に出さないよう厳しく言ったのでおそらく心配はない。そちらに行く頃にはきっと忘れているでしょう
財閥は儀式で“森の子”の資格を失った。その代償を知っていたからこそ、あの男はヨンジェに全てを背負わせた。という事は、あの子もあなたやAと同じ様な“才能”を持っている事になる。果たして森にやるのが正しい事なのかどうか……あの男のそばにいるよりマシだろう
財閥は私が森を知っているなどという奇跡的な偶然に気付いていない。だがいずれあなたの孫達だけでなくヨンジェも狙われるだろう。その時は森の長が―――あなたかジェボムである事を祈る―――あの子を守ってやってほしい』
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くたろまりあん(プロフ) - ゆうさん» 最近更新停滞気味な上に久々の更新が番外編、コメ返まで遅れてまことに申し訳ない限りです(涙)ムネアツをお届けできていたなら嬉しいです!!頑張って話を続けますので、これからも温かく不肖くたろを見守って下さい!! (2016年4月28日 17時) (レス) id: e40acf0397 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - こんにちは!初めまして!くたろまりあんさんのForest of the kaleidoscopeがとてもすばらしくて、もう何度めかは分からない程には1~現在まで振り返りは読み返してます。今までずっと静かに静かに読んでましたが、もう押さえ切れません。素敵なムネアツあざます!!! (2016年4月24日 14時) (レス) id: 2bedd12a2f (このIDを非表示/違反報告)
くたろまりあん(プロフ) - 醤油ベースさん» いいんですよ、私もそう書いてましたから(笑)今回彼がジニョンを守っていたというのは今朝思い付いたばかりなんで(笑) (2016年4月6日 18時) (レス) id: e40acf0397 (このIDを非表示/違反報告)
醤油ベース(プロフ) - 今までチョルの馬鹿って思っててごめんなさい…。 (2016年4月6日 16時) (レス) id: 35dfa964ba (このIDを非表示/違反報告)
くたろまりあん(プロフ) - kafuさん» 財閥といったらあれでしょう(笑)…ご自愛くださいませ(笑) (2016年4月5日 15時) (レス) id: 25f472dd75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くたろまりあん | 作成日時:2016年1月21日 7時