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啓オンニの番外編:MITTENS ページ14

Jr視点

「…これ、どうしたの?」
「………手袋なら、ジニョン兄さんが大学に行く時も使えるかもって…思って…」
手袋、という単語に、ここ数日のヨンジェの行動の謎が解ける。ヨンジェを抱き締めようと腕を広げるが、ヨンジェが飛び込んでくる様子はない。顔を覗き込むと、涙を目に湛えている。
「何?なんで…なんで泣くの?」
「教えてもらってるのに…上手にできないの…」
ああ、この愛おしい生き物を俺はどうすればいいんだろうか…。俺のためにと、睡眠時間を削ってまで作ろうとしてくれる。その気持ちだけで十分なのに…。
「ヨンジェっ!」
「ぅわっ…」
ぎゅうぎゅうと抱き締めると、苦しそうな声が聞こえてハッとする。腕の力を緩めると、ホッとしたようにヨンジェの身体から力が抜けた。
「ごめん…大丈夫?痛かった?」
「それは大丈夫だけど…。…ちゃんと上手になるまで秘密にしてたかったのに…」
ぷぅ、と頬を膨らませたヨンジェが愛おしい。皆の揶揄うような反応は、このヨンジェの愛おしさのせいだったのか…。
「ヨンジェ、作ってくれるの?俺に…?」
「……下手でもいい?」
もちろん、と頷く。学校へ着けて行く機会はあまりないかもしれないが、必ず着けよう。枕元から離れた場所に作りかけの編み物を置く。
「ヨンジェ、ありがとう…」
ちゅ、とヨンジェの額にキスをして、ヨンジェをベッドの中へ入れる。よく眠れるように、ともう一度、今度は唇にキスをしてから瞼へとキス…。
「今日はもう寝なさい…」
「…うん、おやすみ…」
ニコリと笑ったヨンジェが完全に目を閉じたのを見届けてから、火のついたままのランプを手にヨンジェの部屋を出た。

秘密の手紙→←啓オンニの番外編:MITTENS



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くたろまりあん(プロフ) - ゆうさん» 最近更新停滞気味な上に久々の更新が番外編、コメ返まで遅れてまことに申し訳ない限りです(涙)ムネアツをお届けできていたなら嬉しいです!!頑張って話を続けますので、これからも温かく不肖くたろを見守って下さい!! (2016年4月28日 17時) (レス) id: e40acf0397 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - こんにちは!初めまして!くたろまりあんさんのForest of the kaleidoscopeがとてもすばらしくて、もう何度めかは分からない程には1~現在まで振り返りは読み返してます。今までずっと静かに静かに読んでましたが、もう押さえ切れません。素敵なムネアツあざます!!! (2016年4月24日 14時) (レス) id: 2bedd12a2f (このIDを非表示/違反報告)
くたろまりあん(プロフ) - 醤油ベースさん» いいんですよ、私もそう書いてましたから(笑)今回彼がジニョンを守っていたというのは今朝思い付いたばかりなんで(笑) (2016年4月6日 18時) (レス) id: e40acf0397 (このIDを非表示/違反報告)
醤油ベース(プロフ) - 今までチョルの馬鹿って思っててごめんなさい…。 (2016年4月6日 16時) (レス) id: 35dfa964ba (このIDを非表示/違反報告)
くたろまりあん(プロフ) - kafuさん» 財閥といったらあれでしょう(笑)…ご自愛くださいませ(笑) (2016年4月5日 15時) (レス) id: 25f472dd75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くたろまりあん | 作成日時:2016年1月21日 7時

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