【斉木楠雄のΨ難】ごく普通の高校生。 (ページ25)

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ナンパ？ページ25

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「行ってきます」

「俺も行く〜」

「え……、ついてこないでね」

「さぁ？それはどうだろう」

ウザすぎる。どう育ったらそうなるんだろう。
でも、コミュ力だけは分けてほしい。

どうしよう。実の兄といえど、斉木くんにはやっぱり
兄と一緒にいるところを見られたくない。

だけど、斉木くんは同じ道通るし、同じ時間くらいに出るし、もうちょっと強めに追っ払えたらよかった。

「ねぇねぇ、お嬢ちゃーん」

「！？」

「今から俺たちと遊ばなーい？」

「おっお兄ちゃん…！！…あれ！？」

考え事してる間に電車に向かっちゃったのかな。

ヤンキーに絡まれるなんて、初めての体験だよ…。

「お？沖原、なにしてんだ？」

「燃堂さん…！たっ助けてください！」

「チッ、趣味の悪い彼氏だな」

趣味の悪い彼氏。

彼氏という言葉は撤回したいが、何より友達をバカにしたことが許せなかった。

私は、殴られる覚悟で言ってやった。

「は…ぁ？…燃堂さんは…！あなた達みたいな、汚い人間ではありません！」

「あ？テメェもういっぺん言ってみろよ！」

「……っと。女殴るとかありえねぇだろ」

「……！窪谷須くん！」

「目ぇ閉じとけ、ついでに燃堂もな」

目を閉じた瞬間、すごくきつい音が聞こえてきた。

きっと、殴ってるんだろう。
後で、お礼も言わなきゃな。

目を開けると、ボロボロになっているヤンキーの姿が、
目の前に転がっていた。

私は犯罪にならないか、少し心配していた。

それを窪谷須くんが感じ取ったのか、「気絶してるだけだから」と言った。

私ってそんなに顔に出るのかな。

「なんかよくわかんねぇけど、学校行こうぜぇ」

「のんきだな、お前は」

「窪谷須くん」

「おぉ、なんだ？」

「ありがとうございます。窪谷須くんが来てくれなかったら、きっと私は今頃病院です」

これは、本音。

煽るようなマネをしてしまったのは、いけなかった。
もう少し、オブラートに包ませる言い方があったはずだ。

「病院送りは言いすぎだろ…。くそっ、元ヤンバレちまった」

「いえ、そんなこと、みじんも気にしてませんよ。
……嬉しかったです」

「フッ、そうかよ」

少し、ベタなことを言ってしまっただろうか。

なんか、恥ずかしくなってきた。
けど、窪谷須くんと本格的に距離も縮まったみたいで、
嬉しい。

学校の校門に入る。

教室に着くと、斉木くんがいた。

「斉木くん、……おはよう」

『！おはよう』

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