閑話休題 リクエスト 2 ページ9
「ねぇ、テツヤ…なんか顔、近くない?」
「そうですか?」
いつものしれっとした感じでテツヤはさらりとかわした。
いや、完全に近すぎでしょ!だって吐息が耳に掛かってるもん!
「ちょっと離れてほしいなーなんて…?」
「Aさん、顔が赤いですよ?」
テツヤは終始何時もの真顔で顔も全く赤らめていない。
「いや、テツヤが変わらな過ぎるだけでしょ?」
「僕は酔っていても顔には出ないタイプなんです。………ですがこんな事してしまう位には酔っていますよ?」
キスをされて目を見開く私を見てテツヤは笑みを浮かべていた。
「A、飲み会は楽しんでるかい?」
「うん、勿論!」
「それは良かった…、今日は楽しんでくれ。」
「って言ってももう殆どが潰れちゃってるけどね…てゆーか征十郎、なんか疲れてない?」
「……っ…君は昔から勘が鋭いね。」
「こんな隈作って…。休息は必要だよ?」
「だが、赤司家の下にいる従業員の事を考えるとそうもいかない。」
「…じゃあ、今だけでも休んで。」
「…ぇっ。」
「これは命令!ほら、寝た寝たー。」
肩に寄りかかって目を瞑る征十郎。
改めて見ても睫毛が長いなぁ、なんて感心したいると徐に手を取られた。
そして征十郎は自身の頭に私の手を乗せた。
「少し酔いが回って来たようだ、僕が眠るまで…頭を撫でていてくれないか?」
「……うん、良いよ。おやすみなさい。」
肩で寝ている男は日本の経済を牛耳っていると言っても過言ではない。多分、私には計り知れないほどの苦悩を持っているのだろう。だが、それを全く感じさせないような態度。でも、私たちだけは知っている、彼の努力や苦労を。だから、少しくらいは力にならせてよ。
そう思いつつ、滅多に見られない彼の無防備な顔を見ながら、独り優越感に浸ったのであった。
先程まであんなに賑やかだったのに、誰1人として起きて居ない。なんか寂しくなっちゃったな…。
「あれ?私こんなにお酒注いだっけ?まぁいっか、飲んじゃお。」
そう言ってなみなみと注がれた酒を飲み干した。
「なんか度数高くない?カラダ……が熱………くなってきた…。」
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作者名:百合 | 作成日時:2017年1月14日 19時