【平和組】泣いても無駄だよ。【つ.わ.は.す】 (ページ26)

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「ちょ、勝手に入んないで下さい！アブさん！」ページ26

どれだけ逃げても逃げることができなくて
どれだけ助けを乞うても助けてはもらえなくて

そんな絶望の中、
一筋の光。

そんな光の正体が
私を絶望へと導いた張本人だとしたら。

ーーここは...

眼が覚めるといつもの暗闇みたいな暗さはない、でも暗い。電気がついていないのだろうか。

体は動かせない。
拘束のせいでもあるけど、何かが違う。

「あ、起きた？」

「っ、つわはす、くん」

私を拘束する何かの力が強くなる。

「はー、A暖かい」
「つわ、はすくん。まさか、抱きしめてっ」
「怖い、って泣きついて来たのはAの方でしょ？こうやって俺が慰めてあげてるんだから感謝しなよ」

そう言ってぽんぽんと頭を撫でられる。
その行為がすごく心地よく感じてしまった。

そうだ、こんなことになったのは、
部屋の電気がいきなり消えたんだ。

もう、暗闇が怖く感じるようになっていた。
今もつわはすくんがいなかったら不安でたまらなかっただろう。

まぁ嫌味にもこの恐怖を植えつけた原因は彼なんだけど。

「ねぇ、A。今日は何したい？一緒にテレビでも見る？それともお風呂に入る？一緒にね。」

そう言って耳を触ってくる。
彼の表情は暗くて見えないんだけど、妖しく笑っているのだろう。

「A、このままずっとさ、この暗闇の中二人で生きていこうよ」

首に、手を伸ばしてきた。

殺されそう、と本能で感じ取る。
いっそこのままそれでもいいかもしれない。

「つわはすく..」
ピーンポーン

私の言葉を遮るように部屋のチャイムが鳴った。

「あーあ、良い所だったのに。誰だよ」

そう言って私を離し、ベッドから降りる。
そして部屋の明かりをつける。

ほっと胸を撫で下ろす。

ピンポーンピンポーン

「ったく、誰だよ。はいはーい、今行きまーす」

そう言って玄関まで走っていくつわはすくん。
すると何だか玄関の方がガヤガヤする。

なんだろ、嫌な予感

ーーつわはすくんの叫び声が聞こえた

「ちょ、勝手に入んないで下さい！アブさん！」

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