【Offesa, pigrizia】~二人の物語~ (ページ13)

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~Last day~ ページ13

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森の奥にある屋敷の一部屋で、少女は

目に、頭に、脚に、腕に、

ほぼ全身に包帯を巻いて、ベッドに横たわっています。

点滴がベッド付近に置いてあります。

そう、

置いてあるだけです。

何故、使わないのでしょうか？

もしかして、壊れているのでしょうか？

それとも、

＿使う必要がないからなのでしょうか？

『＿＿』

少女は何も言わず、ただただ何処かを見つめています。

彼女には一体、何が視えているのでしょうか。

と、そこに＿

窓を開けたことによって、バサバサとカーテンが揺れながら、誰かが入ってきました。

銀髪の少年です。

『＿だ、れ？』

少女は問いかけます。

少年は、答えます。

「俺は、お前の＿」

"お前の"、なんでしょう？

少年は何故か言葉がつっかえているようです。

静かな空気が流れます。

沈黙を破ったのは、少女でした。

『＿あのね＿聞、て＿？』

少女は、途切れ途切れになりながらも、必死に言葉を紡ぎます。

『＿わ、たし＿もぅ、な＿も、見えな＿の。』

『＿で、も＿＿何、か、大事＿もの、を、忘れ、てぃ＿る＿気が、するのっ＿！』

『＿た、せつ＿な＿人、を＿！』

少女は静かに涙を流します。

それでも尚言葉を紡ぐのは、それが少女にとってそれほどまでに大事なことだからなのでしょうか。

少年もまた、涙を流しています。

「＿お前は、死ぬのか。」

『＿う、ん。』

「俺は＿＿お前の"友達"だ。なんて、言えねぇよ。」

少年は、少女の手を握ります。

まるで、彼女がもう何処にも行かないように。

「俺は＿＿お前を、本気で愛してた。」

その言葉に少女は、それはもう幸せそうに微笑みました。

「＿＿愛してる、A。」

それっきり、少女は動かなくなりました。