【Offesa, pigrizia】~二人の物語~ (ページ1)

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~First day~ ページ1

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「では、今週の分のお薬を処方しますね。」

『はい、ありがとうございました。』

カタンッ＿＿と、音を立てて椅子から立ち上がる先生。

ジャラッ＿＿

机に置いてある瓶から薬を2錠取り出し、水で飲む。
もう何年もの事なので、この作業にぎこちなさは無い。

『＿ふぅ、』

ふかふかのベッドに身体を沈め、視線だけで窓の外を見る。

＿曇ってますね。

空が雲で覆い尽くされていて、月が隠れてしまっている。

私の唯一の楽しみなのに。

＿今日は、もう寝ましょうか。

そう思い、目をそっと閉じた時＿＿

ガタガタッ！！

『！？』

天井の方から音がした。
おそらく屋根に誰かいるのではないか。

しかし、屋根の上に乗るとは＿＿

『＿まさか、泥棒？』

ゾクリと身体が震える。

でも、何故か好奇心が湧いてきてしまったのだ。

『落ちたら死んでしまいます。』

『＿しかし、降りられなくて困っている人かもしれません。』

『やめた方が＿』

『いえ、やはり助けてあげましょう！』

ブツブツと1人で呟いた結果、助けに行く(？)と決めたようだ。
最も、それは好奇心を隠すための口実だろうが。

『＿＿え？』

「＿＿あ"ぁ？」

そこには、傷だらけの男の子がいました。
銀髪で、目つきの鋭い男の子。

＿どうしましょうか。

正直言って私は同年代の人と話したことが＿いや、会ったことがない。

つまり＿＿

何をすればいいのかわからない。

しかし、目線はバッチリ合ってしまった。

『え、と＿＿こんばんはです』

「＿何言ってんだお前」

全くもってその通りです！

『あの、こっち来ませんか？』

「＿＿行く」

男の子は少し迷っていたが、こちらへ来ると決めたらしい。

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『私、初めて外の人と話しました。』

「外の人だぁ？」

『はい。私、生まれてからずっとここにいるので。』

「マジかよ。」

『マジです。』

『あと、剣術するんですか？』

「俺は剣士だからなぁ。」

『へー、かっこいいですね！』

「＿お前は、知らねぇやつを部屋にあげて、殺されるとか思わねぇのかぁ？」

『別に死んだら死んだでいいかな、と。』

「＿大したやつだな。」

「そろそろ帰るかぁ。」

話に没頭してしまっていたようで、1時間程経っていた。

「じゃあなぁ！」

男の子はそう言うと、窓から去ってしまった。

『＿＿＿さようなら、』

『もう二度と会うことは無いでしょうけど。』