私vsサソリさん（戦闘ではないです） ページ7
そこに立っていたのはヒルコ姿のサソリさん
はやく本体姿が見たいなあ
そんな呑気なことを思っている私とは反対に、サソリさんは不気味に立ったまま
恐いんだが……
と思ったのもつかの間、私の首の近くに鋭いものを向けられた
ここで動いたらだめだ……
私の本能は瞬時にそう感じた
よく見ればその鋭いものはヒルコの尻尾辺りからのびていた
ああ、アレか
「どこのスパイだ……」
向けられる視線もまるで刃物のように鋭い
うっ、視線が痛い
というかなんで私＝スパイになってるの？
もしかしたらスパイの素質あるかも
いらない素質だけど
「スパイじゃないです！それに私はサソリさんのことが心配だから助けようとしてるんですよ！なんで分かってくれないんですか！」
途中から声が大きくなっていたようだ
通路に声が響いた
「お前に心配してもらうほど俺は落ちぶれていない。分かったらさっさと俺の前から消えろ」
サソリさんはそれだけ言うと尻尾からのびているアレをしまいドアを閉めようとしたので、私はとっさにドアと壁の隙間に足を滑り込ませた
「そうやって油断してる時が危ないんですよ。結論から言うと今回の一尾捕獲作戦であなたは死ぬんです」
本当はもっと詳しく言いたかったけど話を長引かせるとサソリさんがキレだしそうなのでやめた
「だから本当は行ってほしくないんです」
「さっきからごちゃごちゃうるせぇんだよ。これ以上俺に構うな」
サソリさんは吐き捨てるように言い、私の足を払いのけドアをおもいきり閉めてしまった
きっと私の話なんて信じていないんだろうな
そう思うとやるせない気持ちになってきた
こうなったら叫んでやる！
私は深く息を吸い込んだ
「この年齢詐称ヤローがぁぁぁ！！少しは人の言うこときけっての！そんなに死にたいならさっさと死んじまえ！」
我ながら大きい声だ
もし町とかで叫んだら迷惑行為になっていただろう
にしても、死んじまえって言ったのは失敗だった
ごめんなさい、サソリさん
私がその場から離れようとしていたら、ドアがまた開いた
ヤバい、これはヤバいぞ……！
かなりヤバい感じがしたのでダッシュでその場を離れた
しかし、それから少ししてから体が動かなくなった
……あれ？
おかしいなあ、なんか術でもかけられたのかな
目だけを動かし自分の体を見た
体にはうっすらとだけど、青い糸のようなものがまとわりついていた
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作者名：ナナリー | 作成日時：2015年5月30日 21時
