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いつものように、ベッドから窓の空を見つめる彼女が、そこにいた。
気づいた彼女が、薄く笑みを浮かべる。
「いらっしゃい。緑谷くん」
「ッ！」
それを目にした瞬間、その声を聞いた瞬間。
吐き気にも似た感覚が、身体中に走った。
――彼はさっきなんて言った？
このままだと死ぬ。
誰が？
彼女が。
彼女が、死ぬ?
目の前の、彼女が。
『緑谷くん!』
死ぬ――。
「手術…受けなよ」
「…聞いてたんですね」
「治るんだよ？」
「そうですね」
「生きたいって…思わないの…？」
「……」
彼女は、何も言わなかった。
―――それが、彼女の答えだった。
「ッなんで…！」
「……もう、いいんです…」
「は、なに…それ…」
「……」
「！なんだよッそれ！！」
思わず掴んだ彼女の両肩。
あまりにも華奢すぎるそれに、いよいよ彼の言葉が事実であることを実感してしまう。
「…今の私は、生きてるだけで、悲しませてしまうんです。病気が分かってから…おばあちゃんも、お父さんも…悲しそうに笑うんです」
俯いて発せられた声が
「入院してからは…君までも、悲しませています…」
光のない目が
「ッ…」
「私の身勝手な行動で、家族を悲しませて…君との約束も果たせなくなって…お父さん、前よりもっと働くようになりました。入院代だって馬鹿にならないのに…この身体は一向に良くなる様子がありません…」
腕に触れた冷たい手が
「…私、緑谷くんの夢の邪魔したくないんです。せっかく個性が出たのに、私のことで立ち止まってほしくないんです。悲しませたくないんです……」
あまりにも―――。
「…泣かないで、緑谷くん…」
「…っ！
だったら生きろよッ!!」
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絵音(プロフ) - すごい好きです。主人公と 出久くんの本音を言い合うところとかほんのに好きです。素敵な物語を読ませてくれてありがとうございます…ッ！！！ (2019年5月22日 23時) (
レス) id: 740c8210f3 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 凄くあったかい良いお話でした！生きて欲しいと説得？してるところとかもう涙が止まらず泣きながら読みました！素敵なお話を有り難うございます！ (2019年2月19日 23時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソーカ | 作成日時：2019年2月14日 14時
