Episode 08『誓いのキス』 ページ28
焦凍が4年生になった。私は6年生。
冬美ちゃんは現在、教師になるため大学で日々猛勉強中。
他の兄達はとっくの昔に家を出ていってしまった。
この広い豪邸に四人暮らして…。
相変わらず父の英才教育は続いている。
怪我の手当は専ら私に。
晩御飯の用意は冬美ちゃん。
食器洗いと冬美ちゃんのお弁当作りは私という役割も定着しつつある。
母の代わりにこの家を支えんとする彼女は立派であるが、自分の時間も大切にして欲しい。
その思いから、彼女の手伝いを買って出たのだ。
食器洗いはたまに焦凍も手伝いに来る。
学校には予定を遅らせ、新年度から、つまり四年生からの参加になった。
焦凍との初登校は当然有意義な時間であったがしかし、ここで少々問題が発生した。
微妙に合わせられない。
今時の小4への接し方がイマイチ解らないのである。
全く合わないなら向こうも接して来なくなるのだろうが、どうもそうじゃないようで。
気づけば、グループには入れないが、毎日どこかしこには誘われるという奇妙なことになっていた。
まぁ嫌われてないようなら、それに越した事はない。
放置して三年、何事も無く無事6年生を迎えられた。
が、しかし。
そうは問屋が卸さない。
最近増えてきたこの問題、早急に解決せねばいろいろヤベェである。
「えっと…オレさ…轟のこと好きなんだ…！付き合ってくれ！」
「…ごめんね…君の気持ちには応えられない」
最近の小学生ってマセすぎちゃいないか？
こんなにも早いもんなのか、オバサンついていけません。(精神29歳)
記念すべき30人目(クラスメイト調べ)の勇者を倒し、教室へと戻る。
軽く冷やかしを受けながら、ランドセルを背負いため息を吐いた。
「あ、そういえば轟の弟、先帰るって言ってたぜ！」
「ん、わかったー。ありがとう」
クラスメイト達と挨拶を交わし、教室を出る。
靴箱を開けて、スニーカーを取り出すとカサリとデジャヴ。
落ちたそれを拾ってカーディガンのポケットに仕舞った。
いやはや、本当に。
そろりと玄関を開けて中に入る。
見えた父の靴と焦凍の靴に、ほんの少しだけ安堵して、気を使わず自室へと向かった。
ランドセルを置いて宿題に取り組む。
父と焦凍の鍛練が終わる前に、宿題を済ませるのが日課。
焦凍との勉強の日は、一緒に取り組むことになっている。
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ソーカ(プロフ) - サキさん» 初コメありがとうございます！(感涙)ソーカにはもったいないお言葉でございます<(_ _)>楽しんで頂けて幸いです(*´ω｀*)妄想が膨らみ次第の更新なので不定期になってしまいますが、今後ともよろしくお願い致します！ (2018年5月21日 21時) (
レス) id: ba8d561192 (このIDを非表示/違反報告)
サキ - はじめまして!題名からもう神ってるなと思い読んでみたら神な作品でした。これからも楽しく読んでいこうと思います!応援してますよ〜! (2018年5月21日 15時) (レス) id: 69ece300b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソーカ | 作成日時：2018年3月12日 10時
