･ ページ26
ネットは今、かなり荒れている。
Aがそんなことをするはずがない、という擁護の声も多く上がっているようだが、身を潜めていたAのアンチがここぞとばかりに声を大きくしているようだ。
脱退要求にとどまらず、「パルは韓国に帰ってくるな」というそれはもう酷く過激な文言がネット上で拡散されている。
おまけに複数のメディアが匿名の情報提供者と連絡を取って内容を詳しく聞いているようで、Aのいじめ疑惑が記事にされて報道されている。
だが、今はヒョン達が何やら色々と事務所に働きかけているらしい。
俺は詳しくは聞かされていないからよくわからないけれど。
そして他のメンバーは、より一層新曲の制作に力を入れるようになった。
Aに想いが届くように、と。
みんながそれぞれ、Aを救おうと必死に動いている。
俺には、何ができる？
大して取り柄のない俺には、何ができるだろう。
スマホの通話履歴に並ぶのは、繋がらなかった電話。
その数は7つ。
全て俺からかけたものだ。
今は色々対応に追われていて、電話どころではないんだと思う。
そうはわかっていても、かけずにはいられなかった。
何かしていなければ、正体不明の焦燥感に駆られて落ち着かなかった。
Aのために、俺にできることはないか。
その答えは未だに出ていない。
だけど、ただ繋がっていたかった。
今はアイツと繋がっていなければならないと、俺の中の危険信号が点滅していた。
アイツを、繋ぎ止めないと。
何か、酷く嫌な予感がするんだ。
もう一度、Aの番号をタップする。
頼む。
出てくれ、A。
一瞬でいい。
頼むから、声を聞かせてくれ。
コール音が響く間、ぎゅっと目を瞑って祈る。
『〔……もしもし？〕』
WN「っ！！」
待ち望んでいた声。
それが聞こえた瞬間、思わずガバッと立ち上がった。
繋がった。
WN「A……」
『〔ごめん、なかなか出られなくて。ちょっと……色々バタバタしてて〕』
WN「いや……俺の方こそごめん、何回も」
いつもよりも若干沈んでいる声色。
本人は隠しているつもりなんだろうが、俺からすればバレバレだ。
電話をかけたはいいものの、なんと声をかけるべきだろう。
頑張れ、なんて言いたくない。
これ以上何を頑張れというんだ。
耐えてくれ？これも違う。
もうずっと、Aは逃げずに耐えてきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1934人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
来栖(プロフ) - セナさん» セナさん、ありがとうございます。必ずハッピーエンドにします！続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (
レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
来栖(プロフ) - てじさん» てじさん、いつもありがとうございます。続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
来栖(プロフ) - 景夜さん» 景夜さん、いつもありがとうございます。続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
セナ(プロフ) - 初コメ失礼します、、、！一難去ってまた一難😭😭パルちゃんとジュンくん、セブチのみんなが幸せになりますように……！更新応援しております🥹🥹 (2022年10月22日 9時) (レス) @page47 id: b2769f16fb (このIDを非表示/違反報告)
てじ(プロフ) - パルちゃん....お話の中だけどステージで輝いてるパルちゃんがもう一度読みたいよお😭どうなってしまうのか🥺 (2022年10月22日 7時) (レス) id: 677831959c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：来栖
| 作成日時：2022年10月1日 17時
