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SC「……だけど、それにしても妙だなこれ」
JH「なに?」
SC「告発の内容。どこで何をされたかって詳しく場所が書かれてるんだけど……事務所の部屋の名前とか位置関係とか、宿舎の中の構造とか、その辺の情報は全部合ってるんだよ」
JH「……それは、確かに」
息を飲む音があちこちから聞こえた。
同時にウォヌヒョンの目がギラリと鋭く光る。
WN「……ヒョン。Aを疑うの?」
SC「そうは言ってないだろ、落ち着けウォヌ。ただ……偽装にしては、色々と内部事情に詳しすぎる気がする」
部屋の構造。
動画に映っていて公開されている部屋もあるけれど、それはほんの一部のはず。
全体像を把握するのは一般人には不可能だ。
しかし、それができる人達がいるとすれば。
WZ「……匿名だけど、元練習生が書き込んでるってのはあながち間違いじゃないのかもしれない」
事務所の関係者か、元関係者。
いずれにせよ、告発をした人達は本当に事務所の内部に関わっていた人である可能性が高い。
一気に不穏な空気が漂い始めた、その時。
JS「スンチョラ、ジョンハナ」
今までずっと黙って話を聞いていたシュアヒョンが、口を開いた。
JS「ちょっと外出られる?話したいことがあるんだ」
真っ直ぐにスンチョリヒョン達を見つめる、シュアヒョンの静かな黒い瞳。
その落ち着きようはまるで、嵐の前の静けさのようだった。
年長者だけへの話。
なんだろう、シュアヒョンは何か知ってるの?
スンチョリヒョン達3人が部屋を出て行った後も、重苦しい雰囲気は消える気配がない。
全員が棒のように立ち尽くす中、ふらりと動いたのはウォヌヒョンだった。
HS「……ウォヌ?」
WN「……ごめん。ちょっと頭冷やしてくる」
ヒョンは俯いたまま、僕達の方を見ない。
部屋を出ていく彼を引き止める者も、咎める者もいなかった。
……ああ、ヌナ。
一人でどれほど傷ついて、苦しんでいることだろう。
どうして神様は、こんなにもヌナを苦しめるの?
ヌナはいつも、僕達を助けてくれている人なんだよ。
ヌナはずっとずっと、僕達のためにたくさんのことをしてくれているのに。
HS「……とにかく、今は事実確認を待とう。信じて待つぞ、Aを」
みんなを見渡しながら静かに、それでいて力強く言ったホシヒョン。
僕達はその言葉に、全員無言で頷いた。
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来栖(プロフ) - セナさん» セナさん、ありがとうございます。必ずハッピーエンドにします!続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
来栖(プロフ) - てじさん» てじさん、いつもありがとうございます。続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
来栖(プロフ) - 景夜さん» 景夜さん、いつもありがとうございます。続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
セナ(プロフ) - 初コメ失礼します、、、!一難去ってまた一難😭😭パルちゃんとジュンくん、セブチのみんなが幸せになりますように……!更新応援しております🥹🥹 (2022年10月22日 9時) (レス) @page47 id: b2769f16fb (このIDを非表示/違反報告)
てじ(プロフ) - パルちゃん....お話の中だけどステージで輝いてるパルちゃんがもう一度読みたいよお😭どうなってしまうのか🥺 (2022年10月22日 7時) (レス) id: 677831959c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来栖 | 作成日時:2022年10月1日 17時