【d！】クラスの一軍女子の生態解明所【ut】 (ページ7)

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七話ページ7

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友達に貸した教科書が、無残な姿で帰ってきた件について。

僕がまだそんなに使っていなかった教科書を握りしめ震えていると、コネシマは何でもないように僕に問うた。

「どうした、大先生。寒いんか？」

「人に借りたものに落書きするやつにキレてんだよ…！」

「あー…。ごめんなっ！代わりに飯おごったるわ！」

「そんなんで許す訳ないやろ…。…焼きそばパン食いたいっす！」

「草。」

軽口を叩きあい、購買に向かうとそこには既に列ができていた。コイツらと駄弁っていたせいだ。やっぱ許さない、一番高いやつ頼むまで許さない。

「あちゃ～、混んどるな。並ぶか？」

「ダルい。並ぶんだったら先教室帰っとるわ。」

「あ、ゾム帰るんや。じゃあ僕らは並ぼか。」

「せやな！…で、焼きそばパンやっけ？」

「や、あの一番高い奴にする。」

「殺すぞ。」

長蛇の列の最後尾に並び、暇つぶしをしようとスマートフォンを取り出す。

デレステしよ。いやそんなことやっとる場合やないわ。普通に歩きスマホ危ないし。

「…お。」

「どうした？」

「いや、たまに行くメイド喫茶に新人増えたらしい。今日あたり行こかな。」

「…え、メイドカフェとか行ってええの？」

「ええやろ。校則にないし。」

「んな校則ある訳ないやろ。」

コネシマが僕の制服の裾を引いて見せろと訴えてきたので、仕方なく見せてやる。どうやら新人の名前は、A…。

「え！？A！？」

「お、どうした？知り合いか？」

「知り合いも何も！これあの坂口さんの名前や！」

「えぇ！？嘘ぉ！」

「い、いや、割とありがちな名前かもしれないしもしかしたら同名の可能性も…。」

「あ、写真載っとるで。…坂口やったわ。」

「一抹の希望が無残に打ち砕かれた＿＿！」

頭を抱え、唸る。どうする、恐らく今のコネシマの坂口に対する好感度は恐らくゴミ以下だ。もう眼中にも入っていないかもしれない。何とかしなくては…！

「…なぁ、ここの店今日行くんか？」

「え？あ、まぁ…。あ、でも今日は＿＿」

「じゃあついていくわ。」

「へ？？？」

そうだ、コイツはこんな男だった。何の心配もいらなかった。

同学年の女子が校則違反しているということに面白みを感じたんだろう。知らんけど。

「さ、はよ買って帰んぞ。」

「せやな、ゾムもう食っとるかもしれへんわ…。」

「あり得るわ…。」

ほんの少しの非日常に、ひそかに胸を高鳴らせた。