【d！】クラスの一軍女子の生態解明所【ut】 (ページ11)

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十一話ページ11

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「やっほ～、坂口さん？」

ニコリと、自分では優しいと思う笑みを浮かべる。すると、坂口の顔色が青を通り越して白になった。おかしい。

「あ？あ、あぁ！坂口さん！こんちは！」

空気の読めないコネシマは、通常運転だ。十中八、九パンケーキのことを考えているのだろう。

「パンケーキ、落とすで？」

ほらな。

「あ、あぁ…。すみ、ません…。」

「気にせんでもええよ。ありがとう。」

「は、い。ぁ…、少々、お待ちください。」

坂口はペンで伝票に何かを書いて伝票立てに差し込んだ。

「こちら、伝票です、失礼っ、しました…！」

坂口が入れた伝票を確認してみると、何やら裏に丸い字で書いてあった。

「…なんやこれ。」

「どれ？…店出たら待っとけ、だと。めんどくせぇな帰ろうぜ。」

「せやな、帰ろ帰ろ。」

「ところで大先生！俺新しいゲーム買ったんよ、うち来ぉへん？」

「行くわ！」

まぁ、もちろん行くわけがないと。当たり前だろう、言って何になるんだ。そんなことしている暇があったらゲームしているほうが何倍にも楽しい。

「…このケーキ、ちゃうな。」

「出たよ…。食うんやろな？」

「あ～、やるわ。」

「食えるわけないやろって！…しゃーないなぁ…。」

彼のパンケーキも渋々貰い、食べ進める。これだからコネシマは困る、自分の分を平気で押し付けてくるのだ。

「はい、ごちそーさま。ほら食ってやったで。」

「ん？おー、あんがと。」

「誠意が籠ってへん…。」

携帯をいじりながら適当な感謝をするコネシマを睨むが、本人は気づいていない様子だ。

「コネシマ会計よろしゅうな～。僕先に出とるわ。」

「あっちょ、おまっ！！…もういねぇし。」

コネシマの控えめな叫び声を聞きつつ外に出る。少し肌寒い風が頬を撫ぜた。

僕は適当に時間をつぶそうとデレステを開いた。佐久間まゆさんをプロデュースしています。

「大先生！会計終わったで、帰ろうや！」

「お、シッマ早かったな。じゃ行くか。」

コネシマに並んで薄暗くなった街を歩く。コネシマはなんのゲームを買ったのだろうか、楽しみだ。