記録係7【アンナチュラル 】

なにごともなく ページ24

※オリジナル

さらりとお誘いされた数分後
毛利さんが部屋にやってきた。

毛「あのー、隣の部屋に入りにくいんスけど」

中「それは俺たちも一緒だ。」

『まあまあ。』

苦笑するしかない。
確かにあの二人の中に入っていけるほど
神経図太い人がいたら拍手喝采だ。

毛「中堂さんも！！
あんた何してるんスか…メスなんか持ち出して！」

中「こいつはよく切れるからな」

『よく切れるのはダメだって』

毛「よく切れなくてもダメです」

中「どちらにせよ、Aは守ったぞ。
何も悪いことはしてない。
怪我人もいない。良いことだろ。」

また屁理屈が始まった。
毛利さんも頭を抱えている。
ほんといつもすみません。

中「Aからも何か言ってやれ」

『何もございません
というか、ご迷惑をおかけしました。』

毛「Aちゃんは何も悪くないと思うけどな」

中「悪いのは全て高田だろ」

毛「まあ、そりゃそうですけど！」

『系さん、でもこのメスで怪我人が出たら
どうするつもりだったんですか。』

中「…」

あ、黙った。あ、俯いた。
あ、頭を掻き毟り始めた、
…爆発3秒前。2.1…

中「あー！もううるせえ！寝かせろ！」

『はいはい。』

すみませんと、もう一度謝って
今日は系さんを寝かせてあげることにした。

毛「今日はこの部屋使って良いですから」

『ありがとうございます。』

パタンと静かに閉められたドア。
…あれ？
パタンと勢いよくドアを開けて叫ぶ

『毛利さんっ、！！』

毛「え？何？どうしたのAちゃん？」

『いや！もう一部屋おねがしま…んぐう』

中「なんでもねえ。」

一緒の部屋なんて聞いてない。
もう一部屋頼まねばと毛利さんを
追いかければ後ろから系さんが口を塞ぐ。

毛「何かあったら呼んでね。
…一応、僕警察だから。」

『んー！うー！！』

今まさに何かされてる状態なんですけどー！！
離してー！！

中「別にいつもと同じじゃねえか。
何か困ったことでもあんのか？」

『んー！！うー！』

この状態で何を話せというのか。

中「さ、行くぞA。」

そのまま部屋へと連れ戻される。
ああ…誰か助けて、
ニヤリと笑いながら私を引きずっていく
系さんを横目に嬉しいやら恥ずかしいやら
なんとも言えない気持ちで引きずられる私。

なにごともなく
平和に終わるんじゃないのー？

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